日本映画レビュー
黒澤明監督の『生きる』は、胃がんで余命を宣告された市役所課長・渡邊が、人生の意味を見出すまでの魂の軌跡を綴った名作中の名作。伝説の「ゴンドラの唄」や鮮烈な演出の数々が、人々の感情の旅を緻密に表現している
黒澤明監督の社会派サスペンスの傑作『悪い奴ほどよく眠る』を徹底レビュー。結婚式から始まる鮮烈な演出、三船敏郎演じる復讐者の葛藤、そして縦横の構図を駆使した黒澤演出の妙まで。60年以上経った今も色褪せない、組織の非情さと個人の戦いを紐解く。
山下敦弘監督の傑作『リンダ リンダ リンダ』を徹底レビュー。冒頭のCM撮影シーンから紐解く「反ドラマチック」な演出の魅力とは?劇的な展開を避け、些細な日常を掬い取った本作が、なぜ最高の青春映画として愛され続けるのか、そのリアリティと誠実さに迫…
三宅唱監督がシム・ウンギョンの迷える心の旅をユーモラスに描く『旅と日々』。そのコメディ的魅力について解説
坂下雄一郎監督『金髪』を徹底レビュー。生徒の金髪抗議運動が全国騒動へ発展する中、教師・市川が直面する葛藤と成長を鮮やかに描いたブラックコメディの見どころを解説。 ブラック校則の問題が叫ばれる現代、「黒髪であること」が依然として強く求められる…
佐藤二朗が笑いを封印し、異様な緊張感で挑む取調室サスペンス。現代社会の悪意や差別を鋭くえぐる、衝撃の社会派謎解きエンターテインメント。 酔っぱらって暴行事件を起こした容疑者の男を取り調べ中、男は次々と爆破テロを予言し、そのすべてが現実となる…
日本映画『愚か者の身分』のあらすじ・テーマ・見どころをネタバレなしで徹底解説。暴力と隣り合わせに孤独を抱えながら生きる青年たちの過酷な運命を描いた話題作の魅力を紹介!
吉田浩太監督の最新作『スノードロップ』は、生活保護受給というセーフティネットをテーマに、監督自身の経験と、ある一家の実話を基にして描かれた社会派ヒューマンドラマだ。 認知症の母と病に倒れた父を抱え、貯金ゼロの現実に直面した娘が下す苦渋の選択…
PR:本ページはプロモーションを含みます 第78回カンヌ国際映画祭〈監督週間〉に日本人史上最年少で選出された新鋭・団塚唯我による長編映画監督デビュー作『見はらし世代』(2025)。 再開発で変わり続ける東京・渋谷の街並みと、ひとつの家族の10年の記憶…
映画『シンペイ 歌こそすべて』は、大正時代から昭和初期を中心に3,000曲にものぼる歌を世に送り出し、日本の近代音楽史に大きな足跡を残した作曲家・中山晋平の生涯を描いた作品だ。 誰もが耳にしたことのある旋律が次々と登場し、名曲に宿る普遍的な魅力を…
西島秀俊とグイ・ルンメイが夫婦役を演じる『Dear Stranger/ディア・ストレンジャー』は、異国の地で揺らぐ家族の絆を通じて、信頼と不信、そして「他者」としての夫婦の在り方を鋭く問いかける作品だ。 真利子哲也監督が全編ニューヨークで撮影を敢行し、…
映画『8番出口』は、2023年にインディーゲームクリエイターのKOTAKE CREATEが個人制作でリリースし、世界的ブームを巻き起こしたゲーム「8番出口」の映画化作品だ。 地下鉄の改札を出て白い地下通路を歩いていた男は、「出口8番」の看板をみながら、そこに…
円山雅也の小説『遭難・ある夫婦の場合』(文芸春秋、昭和36年7月号掲載)を井手雅人が脚色。 北穂高の岩壁での登山事故をきっかけに展開する裁判劇を通じて、被告である女性の愛、罪、モラルの複雑さなどが緻密に描き出される。 若尾文子と増村保造監督は20…
高齢化社会が深刻化した社会を背景に75歳以上の高齢者が自らの生死を選択できる制度が施行される近未来の日本を描いた『PLAN 75』で、第75回カンヌ国際映画祭(2022)カメラドール・スペシャル・メンションを受賞した早川千絵監督。そのわずか3年後、2作目の…
映画『最高殊勲夫人』は、脚色:白坂依志夫、監督・増村保造、主演・若尾文子の黄金トリオによるラブ・コメ映画の決定版だ。原作は『週刊明星』に1958年8月から1959年2月まで連載された源氏鶏太の同名小説。 スピーディーな展開とポップな編集で、若尾文子の…
「若尾文子映画祭 Side.A & Side.B」が2025年6月6日より東京・角川シネマ有楽町、6月21日より大阪シネ・ヌーヴォにて開催され、以降全国順次上映される。 それに伴い「YouTube 角川シネマコレクション」 にて増村保造 × 若尾文子コンビの異色作『妻二人』の…
映画『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』は、大学のキャンパスを舞台に、孤独を抱えながらも偶然の出会いを通じて心を通わせる若者たちの姿を描いた青春映画だ。 主人公・小西徹と桜田花の関係性を軸に、現代の若者が直面する孤独感や、他者との繋が…
三島由紀夫が1956年に発表した小説『金閣寺』は、金閣寺の美に取り憑かれた学僧がそれを放火するという1950年に実際に起きた事件に着想を得たもので、読売文学賞を受賞しベストセラーとなった。 人間の心理をこと細かに描き映像化不可能と呼ばれた作品を市川…
普通の女子高生、星泉はひょんなことから弱小やくざの組長を襲名することとなったが・・・。 薬師丸ひろ子主演の映画『セーラー服と機関銃』は公開当時(1981年)、絶大な支持を得て大ヒットを記録。薬師丸ひろ子が歌った主題歌「セーラー服と機関銃」もオリコ…
PR:本ページはプロモーションを含みます 製靴会社の重役・権藤のもとに「子供を預かった、身代金3000万円を払え」という脅迫電話がかかってくる。犯人が誤って権藤の運転手の息子を誘拐したことが判明するが、犯人は権藤に払わなければ子供を殺すと脅す。会…
1953年の芸術院賞を受賞した川端康成の同名小説を水木洋子が脚色。 成瀬巳喜男にとって『山の音』(1954)は『乙女ごゝろ三人姉妹』(1935)、『舞姫』(1951)に続く川端康成原作作品だ。人間関係の複雑さと、そこに潜むエロチシズムの静かな気配によって、深い…
成瀬巳喜男監督の1951年の作品『めし』は、成瀬が林芙美子の原作を初めて手掛けた記念すべき作品であり、また、戦後、一時期低迷していた成瀬の復活作品でもある。 この作品の興行的成功で、成瀬は『夫婦』(1953)、『妻』(1953/原作・林芙美子)という『めし…
PR:本ページはプロモーションを含みます 新人刑事である村上は、混雑したバスの中で拳銃をスリに盗まれてしまう。責任を感じた彼は、執念深く捜査を進めるが、やがてその拳銃が犯罪に使用されていることを突き止め絶望感を味わう。経験豊富な佐藤刑事(志村…
市川崑監督の1960年の作品『ぼんち』は、『白い巨塔』や『華麗なる一族』で知られる山崎豊子の同名小説を原作に、大阪船場のぼんちという宿命を負った一人の青年の生きざまを描いた作品だ。四代続いた船場の足袋問屋の一人息子・喜久治を市川雷蔵が軽妙に演…
写真が好きな高校3年生の景は、ひょんなことから、密かに憧れていた同級生・遊の映画づくりに参加する。創作の歓びや、過去の行き違いによるわだかまり、恋の芽生えなどさまざまな思いが交錯する中、彼らは映画を完成させることができるのだろうか!? youtu.b…
PR:本ページはプロモーションを含みます 2017年に初監督作『あみこ』で第39回ぴあフィルムフェスティバルに選出されPFFアワード観客賞を受賞、第68回ベルリン国際映画祭フォーラム部門に史上最年少で招待されるなど国内外で高く評価された山中瑶子監督。 そ…
成瀬巳喜男監督が、『めし』(1951)、『稲妻』(1952)、『妻』(1953)、『晩菊』(1954)と立て続けに映画化を成功させた林芙美子の同名小説を『山の音』(1954)、『驟雨』(1956)などの作品で成瀬監督とタッグを組んだ脚本家水木洋子が脚色。 映画『浮雲』…
PR:本ページはプロモーションを含みます 『CURE キュア』(1997)、『回路』(2001)、『ドッペルゲンガー』(2003)などオリジナルの作品を送り出しJホラーに多大な貢献を果たして来た黒沢清監督。 映画『Chime』は、料理教室の講師として働く男に起こる超然とし…
戦争で夫を亡くした後も嫁ぎ先に長らく留まり、夫の意志を次いで苦労して酒屋をバラックから今の店に復興させた礼子。しかし時代の変わり目に接し、これからの身の振り方を考えざるをえなくなる。そんなある日、突然、義弟から愛を告白され・・・。 ヒロイン…
『空白』(2021)、『神は見返りを求める』(2022)などの作品で知られる吉田恵輔監督が自身のオリジナル脚本で撮った最新作『ミッシング』は、娘が行方不明になり、出口のない暗闇に突き落とされた家族の姿をリアルに、繊細に描いた問題作だ。 youtu.be 手がか…