デイリー・シネマ

映画&海外ドラマのニュースと良質なレビューをお届けします

【Amazon Prime Video】映画『アメリカン・フィクション』あらすじ・感想/ 黒人芸術家の作品を型にはめようとする社会への痛烈な批判をユーモラスに描く【第96回アカデミー賞・脚色賞を受賞】

作品に「黒人らしさが足りない」と新作の出版を拒否された黒人の小説家モンク。それに抗議するため皮肉を込めて偽名で書いたステレオタイプな「ゲットー」小説が出版社に高額で売れ、たちまちベストセラーに・・・。 映画『アメリカ・フィクション』は黒人芸…

映画『COME TRUE/カム・トゥルー 戦慄の催眠実験』のあらすじと感想/潜在意識の深淵に潜る悪夢を描く新感覚のホラー映画

親との不和で眠る場所のない高校生サラは、ある大学の「睡眠」に関する研究の臨床試験に参加する。寝床を確保したことにホッとしたのも束の間、サラはある写真を見せられ発作を起こしてしまう。次第に明らかになる研究の目的と、人々の夢の中に共通して現れ…

絶賛公開中の映画『海街奇譚』のチャン・チー監督と『マイマザーズアイズ』の串田壮史監督とのオフィシャル特別対談が到着!

姿を消した妻を探しに、彼女の故郷である離島の港町を訪れた男。相次ぐ海難事故で住民の行方不明が続く寂れた町で、妻の面影を持つ女と出会うが...。 映画『海街奇譚』は中国の新世代監督チャン・チーの長編映画デビュー作であり、卓越した映像感覚と比類な…

映画『海街奇譚』あらすじ・感想/夢と現実が混濁する世界をスリラータッチで綴った中国新世代チャン・チー監督の鮮烈なデビュー作

姿を消した妻を探しに、彼女の故郷である離島の港町を訪れた男は数々の不思議な事件に遭遇する ―。 映画『海街奇譚』は中国の新世代監督チャン・チーの長編映画デビュー作であり、卓越した映像感覚と比類なきイマジネーションが炸裂するアートサスペンスだ。…

映画『FEAST 狂宴』あらすじ・感想/ 一つの交通事故を背景に罪と赦しに迫るフィリピンの巨匠ブリランテ・メンドーサ監督の意欲作

『ローサは密告された』(2016)、『キナタイ マニラ・アンダーグラウンド』(2009)など、フィリピン社会の暗部をえぐり、たくましく生きる庶民の姿をリアルに描いて来たブリランテ・メンドーサ監督。 "ビッグ3"と呼ばれるカンヌ、ベルリン、ベネチアの国際映画…

三島有紀子監督インタビュー/映画『一月の声に歓びを刻め』/ “人生で何かが起こったときにこれからどう生きていくのか”を描く

三島有紀子監督 (C)デイリー・シネマ 『しあわせのパン』(2012)、『繕い裁つ人』(2015)、『幼な子われらに生まれ』(2017)、『Red』(2020)などの作品で知られる三島有紀子監督の十作目にあたる映画『一月の声に歓びを刻め』。 北海道・洞爺湖、東京・⼋丈…

【解説】映画『落下の解剖学』(Anatomy of a Fall)あらすじと評価・考察/ジュスティーヌ・トリエ監督が法廷劇の中で真に描きたかったものを読み解く

第76回(2023年)カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞し、第96回(2024年)アカデミー賞では5部門にノミネート、さらに2024年度セザール賞で作品、監督、脚本、編集、主演女優、助演男優の6部門を受賞するなど本年度最大の注目作と話題のフランス映画『落下…

映画『ボーはおそれている』あらすじと評価・解説/ アリ・アスター監督×ホアキン・フェニックスが描く波乱に満ちた180分の悪夢

『ヘレディタリー/継承』(2018)、『ミッドサマー』(2020)のアリ・アスター監督の最新作『ボーは恐れている』は、日常生活に強いストレスを感じる中年男性ボーの奇妙で壮大な帰省を描いたコメディ・スリラーだ。 youtu.be 主人公のボーを演じるのは『ジョー…

【小津安二郎生誕120年】映画『早春』(1956年)あらすじと感想/池部良と淡島千景が冷え切った夫婦を演じる再生の物語

丸の内勤めの杉山(池部良)は、一児を亡くしてから妻・昌子(淡島千景)との関係に隙間風が吹くようになっていた。キンギョという綽名の若い女性(岸恵子)と不倫関係にある彼だったが・・・。 小津安二郎が『東京物語』(1953)に次いで発表した映画『早春』…

映画『フィリピンパブ嬢の社会学』の新宿K’s cinemaでの公開がスタート!主演の前田航基、白羽弥仁監督等が舞台挨拶に登壇&著名人からのコメントが到着!

フィリピンパブの裏側で未だ行われている偽装結婚を背景に、多文化共生のあり方をリアルに描いた、実話を基にした異色のアジアン・ラブストーリー『フィリピンパブ嬢の社会学』が新宿K’s cinemaほかにて全国順次公開中だ。 2024年2月17日(土…

【NHKBSP放映】映画『サイコ』あらすじ、レビューと解説/スラッシャー映画の原型と評されるヒッチコックのサイコサスペンスの傑作

映画『サイコ』は2024年1月20日(火)NHKBSプレミアムにて放映(13:00~114:50) 映画『サイコ』は、”映画の神様”、”ミステリ・サスペンスの帝王”と称されるアルフレッド・ヒッチコックが1960年に製作したサイコ・サスペンス映画だ。 youtu.be アメリカの小説…

Netflix韓国ドラマ『殺人者のパラドックス』(全8話)あらすじと評価/殺人犯の青年(チェ・ウシク)と彼を追う刑事(ソン・ソック)が織りなす善と悪の境界線

ウェブ漫画の原作を、映画『死体が消えた夜』(2018)、ドラマ『他人は地獄だ』(2019)などの作品で知られるイ・チャンヒ監督が映画化。 漠然と生きて来た平凡な大学生イ・タンは突発的な出来事から人を殺してしまうが、偶然の連続ですべての証拠が消えてしまう…

映画『夜明けのすべて』(三宅唱監督)あらすじと感想/”受け止めて歩み寄ることで変わる世界”を松村北斗、上白石萌音主演で描く

2018年に発表した『そして、バトンは渡された』で本屋大賞を受賞するなど、多くの読者の心を掴んでいる小説家、瀬尾まいこの同名小説を、長編映画デビュー作『やくたたず』以来、一作ごとに映画ファンの心をくすぐり続け、『ケイコ 目を澄ませて』(2022)で第…

【解説】韓国映画『梟―フクロウ―』(The Night Owl)あらすじと感想/ユ・ヘジン×リュ・ジュンヨル!光と闇が織りなすスリリングな王朝サスペンス

朝鮮王朝時代の記録物<仁祖実録>(1645年)に残された‟怪奇の死"にまつわる謎を題材に、斬新なイマジネーションを加え誕生した映画『梟―フクロウ―』。 闇夜に怪奇な事件を目撃してしまった目の不自由な天才鍼灸師ギョンスが、真相を暴くために奔走する第一…

映画『哀れなるものたち』あらすじと感想/支配・束縛からの解放をエマ・ストーン扮するヒロインの冒険譚として描く

19世紀ロンドン、天才外科医のマッドサイエンス実験で蘇った若き女性ベラは、未知なる世界を知るため、大陸横断の冒険に出る―。 『女王陛下のお気に入り』(2018)のヨルゴス・ランティモス監督とエマ・ストーンが再びタッグを組み、スコットランドの作家アラ…