映画『トラブル・バスター』は、2024年10月3日よりNetflixで配信されているスウェーデン製のクライム・アクションコメディだ。
大型家電量販店の従業員のコニーは、配達先でテレビを設置している最中に殺人事件に巻き込まれ、逮捕、有罪となって、刑務所に送られてしまう。刑務所では脱獄計画が進行中で再び巻き込まれたコニーは、無罪を証明するチャンスにしようと目論むが、今度は命まで狙われるはめに・・・。
映画『幸せなひとりぼっち』(2015)などのフィリップ・バーグがコニーを演じ、アリ・アッバシ監督の『ボーダー 二つの世界』(2018)の主演で知られるエバ・メランデル等、実力派俳優が顔を揃えている。
アクションとユーモアが巧みにミックスされた大いに楽しめる一編だ。
目次
Netflix映画『トラブル・バスター』作品情報
2024年製作/98分/スウェーデン映画/原題:Trouble
監督:ジョン・ホルムバーグ 製作:アンナ・カールステン 製作総指揮:アンナ・アントニー 脚本:ダピア・レオポルド、ジョン・ホルムバーグ 撮影:エリック・パーション 編集:リカード・クランツ 音楽:クラス・バール、アンダース・ニスカ
出演:フィリップ・バーグ、エイミー・ダイアモンド、エバ・メランデル、モンス・ナタナエルソン、デヤン・クキック、ヨアキム・サルキスト、シッセラ・ベン、イザベル・アロンソン
Netflix映画『トラブル・バスター』あらすじ

コニーは大型家電量販店の従業員として働いている。離婚した元妻にまだ未練があるのだが、彼女はエリートパイロットと再婚していた。
一人娘と過ごすのがコニーの唯一の愉しみだったが、娘に誕生日プレゼントは何がいいかと尋ねると「石」でいいと言う。コニーにお金がないのを知っているのだ。遠慮せずになんでも言ってごらんと声をかけると「馬」が欲しいという。思わず駄目だ!と叫んでしまい、娘を落ち込ませて自己嫌悪に陥るコニー。
娘を乗馬クラブに入れてやるために仕事を増やしたコニーは、テレビの配達に出かけた。最新型のテレビを設置するのに時間がかかり、その家の女性は30分ほどで戻るからと言って外出した。
すぐに先ほどの女性の夫が戻って来たが、なんだか様子がおかしい。すると何者かが部屋に侵入して来て夫と争い始めた。侵入者が振りかざした鋭いドライバーが夫の首にくいこんだ。
コニーはヘッドフォンで音楽を聴きながら作業をしていたので、すぐ傍で暴力事件が起こっていることにまったく気が付かない。ようやく仕事を終えて、立ちあがり、そこで初めて男が一人倒れているのに気が付き愕然とする
男のそばに駆け寄ると、彼は「携帯」と呟きそのまま絶命してしまう。コニーは落ちていたドライバーを拾い、それに血がついているのに気付いて震え上がるが、まだ家の中にいた犯人に襲われ、気を失ってしまった。
目がさめると彼の手はドライバーをしっかり握りしめていた。そこに死んだ男の妻が帰って来た。彼女は悲鳴を上げ、コニーは即逮捕。頼りにならない弁護士がやって来て、全力を尽くすと言ってくれるが、あっという間に有罪になって刑務所にぶち込まれてしまう。
面会にやって来た娘にはお父さんは何も罪を犯していないので、すぐにここを出るからねと話すが、弁護士に携帯を探してくれたかと尋ねても、みつからないの一言で、再審請求の手続きも絶望的だ。
そんなある日、彼は刑務所の中でも古株のワルたちが、脱獄を計画しているのをたまたま聞いてしまう。コニーは洗濯係だったが、ランドリールームの洗濯機の後ろに大きな穴が掘られているのを発見した。彼が穴に入ってみると、それは地下鉄に繋がっていて、着替えとプリベイトの携帯が用意されていた。
コニーは着替えて、被害者の家へと向かう。携帯を探してみるも、どこにもみつからない。その時、葬式を終えた未亡人が帰って来た。
女性はコニーを見つけて驚くが、彼の話を聞いてくれた。携帯を探してほしいと彼女に頼んて彼はまた刑務所に戻って行った。
脱獄を計画している男たちはコニーが計画を知ってしまったことに気付き、彼を殺そうとするが、ふとしたことから、彼を重用するようになる。
夫を殺された女性はついに夫が遺した携帯を発見。そこには意外な光景が映し出されていた。怖くなった女性は家を出ることにして、コニーに携帯を渡したいと連絡して来た。
男を殺した犯人も、携帯がみつかったことに気付いたようだ。携帯には犯人の姿が映っているのだ。誰にも観られるわけにはいかなかった。
コニーは穴から抜け出して、未亡人と会おうとするが、脱獄の計画が早まって、男たちと共に本当に脱獄することになってしまう。彼はまた逮捕されてしまうのか、それとも無実を証明して汚名をはらすことができるのだろうか?!
Netflix映画『トラブル・バスター』感想と解説

本作は1988 年のスウェーデン映画『トラブル・バスター(Strul)』のリメイク作品だという。1988年版は日本では劇場未公開で、VHSビデオのみが発売された。
1988年版の主人公は化学教師だったそうだが(筆者、未見)、2024年版の本作『トラブル・バスター』は、離婚した大型家電量販店のセールスマンが主人公。元妻のパートナーで自分より金ぶりのいいパイロットに激しく嫉妬しながら、娘のために生活費を稼ごうとするちょっと冴えないシングルファーザーだ。
ある日、彼は殺人事件に巻き込まれ、犯人として不当に逮捕されてしまう。すぐに無実が証明されて釈放されるだろうと思っていたら、あれよあれよと有罪になって18年の刑を言い渡され刑務所行きに。このあたりの展開は超スピーディー過ぎて笑えるし、コニー役のフィリップ・バーグがほとんど表情を変えず呆然とし続けているのもなんともいえぬ可笑しみがある。
刑務所では古株の悪人が脱獄計画を企てていて、大胆にもランドリールームの一台の洗濯機の後ろに大きな穴が掘られているという設定はあまりにもご都合主義的に見える。また、一旦脱出してもまた律儀に戻って来る主人公の生真面目さには唖然としてしまう。けれど脱獄のことを知ってしまったコニーを最初は口封じに殺そうとしていた悪人たちが、彼を生かしておこうと考え直すある写真の存在や、また家電量販店の店員としての彼のおしゃべりが、後々、重要な役割を果たすことになる伏線の貼りかたなど細部まで実にうまく構成されている。
このように作品はコメディタッチで進むが、クライム・アクションとしてもよく出来ていて、とりわけ、真犯人の意外さには驚かされる。
命を狙われ、絶対絶命の危機に陥るコニー。果たして彼は生き延びて無実をはらすことができるのかという展開には思った以上にハラハラさせられてしまう。
頼りなく、身のこなしがいいとはお世辞にも言えないコニーが必死で頑張るのは幼い娘のためだ。娘の名誉のためにもなんとしても犯罪者でないことを証明しなくてはならない。
それゆえ、観ている私たちも思わずこの運に見放された男を応援してしまう。
気軽に観られて、かつ満足感を覚えたいという方には超おすすめの作品だ。98分という時間も手ごろだろう。
※当メディアはアフィリエイトプログラム(Amazonアソシエイト含む)を利用し適格販売により収入を得ています。
