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Netflix映画『ザ・ユニオン』あらすじ・感想/ マーク・ウォールバーグとハル・ベリーが共演した小気味良いアクション・スパイ映画

ニュージャージーで建設作業員として平凡に暮らしていた男の前に、ある日かつての恋人が現れた。彼女はいきなり彼に鎮静剤を注射し眠らせてしまう。目覚めるとそこはロンドンだった。男の生活は一変する。

 

 Netflixオリジナルの映画『ザ・ユニオン』マーク・ウォールバーグハル・ベリーが共演した小気味良いアクション・スパイ映画だ。

 

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他にもJ.K.シモンズや マイク・コルターなど豪華キャストが集結。ヨーロッパを舞台に、スリリングな物語が展開する。

 

HBO制作のウォールバーグ主演ドラマ『アントラージュ★オレたちのハリウッド』(2004~2011)などで知られるジュリアン・ファリノが監督を務めている。

 

映画『ザ・ユニオン』は2024年8月16日よりNetflixにて配信開始。

 

目次

Netflix映画『ザ・ユニオン』作品情報

(C)Netflix

2024年製作/109分/アメリカ映画/原題:The Union/配信:Netflix

監督:ジュリアン・ファリノ 製作:マーク・ウォールバーグ、スティーブン・レビンソン、ジェフ・ワックスマン 製作総指揮:ジェニファー・マデロフ 原案:デビッド・グッゲンハイム 脚本:ジョー・バートン デビッド・グッゲンハイム 撮影:アラン・スチュワート 美術:モーガン・ケネディ 衣装:ベアトリス・アルナ・パーストル 編集:ピア・ディ・キアウラ 音楽:ルパート・グレッグソン=ウィリアムズ 音楽監修:スコット・ベナー 視覚効果監修:アダム・ローランド キャスティング:シーラ・ジャッフェ、ディキシー・チャセイ

出演:マーク・ウォールバーグ、ハル・ベリー、J・K・シモンズ、ジャッキー・アール・ヘイリー、アドウェール・アキノエ=アグバエ、ジェシカ・デ・ゴウ、アリス・リー、パッチ・ダラー、アレックス・ブライトマン、ロレイン・ブラッコ、ファヒム・ファズリ、ダナ・デラニー、アダム・コリンズ、ジェン・ジェイコブ、ルーシー・コーク、クリスチャン・ヨング、ユリアンナ・クロカワ、ライリー・ネルダム、ニネット・フィンチ

 

Netflix映画『ザ・ユニオン』あらすじ

(C)Netflix

存在自体が秘密の諜報組織「ユニオン」のメンバーはイタリアのトリエステのホテルに侵入し、「CIAの裏切り者」を拘束した。男は重要なデーターを持ち出したのだ。

 

男を護送するためホテルを出た彼らは突然狙撃され、後方で指示を出していたロクサーヌ以外のメンバーは、全員死亡。データーの入ったハードドライブも何者かに盗まれ、作戦は失敗してしまう。

 

ニュージャージー州パターソンに住むマイク・マッケナは、母親と同居し、建設作業員として働いていた。長年の友人の結婚式の準備に忙しい彼は、一度もこの町を出たことがない。

 

仕事帰りに友人たちとバーで一杯飲んだ後、彼は目の前にかつての恋人ロクサーヌが立っているのに気付き驚きの声をあげた。会うのは高校を卒業して以来で、すぐに懐かしさと、心の疼きのようなものが湧き上がって来た。

 

「突然君はいなくなった」と責めるマイクに対して「大学に進学しただけよ」と応えるロクサーヌ。

 

場所を変えましょうとロクサーヌに囁かれマイクは有頂天になるが、ロクサーヌは不意に彼に鎮静剤を注射し眠らせてしまう。

 

マイクが目を覚ますとそこはロンドンのホテルのベッドの上だった。彼はユニオンの拠点があるロンドンに連れてこられたのだ。

 

ロクサーヌは自身が「ユニオン」という諜報組織の一員であると打ち明け、マイクは彼女の上司のトム・ブレナンと会うことになった。

 

ユニオンが回収しようとしているデーターは西側同盟軍および諜報機関に勤務したすべての人物の名前が記載された極秘情報で、近々闇市場のオークションにかけられることがわかった。ユニオンがオークションを阻止し、情報を回収しなければ世界中が大変なことになってしまう。その任務にはリストに載っていない無名の人物が必要で、マイクが適任とロクサーヌは判断したのだ。

 

戸惑いながらも、ユニオンの一員として活動することに同意した彼を待ち受けていたのは、2週間の特別プログラムだった。

 

本来なら何か月もかかる訓練をわずか2週間で行わなければならない。マイクは様々な技能を次々と習得し、ロクサーヌとの信頼を深めて行った。

 

そしてついに、オークションの入札権利を得る日がやって来た。マイクは約束の場所に出かけていくが、突然ユニオンとの通信が途切れてしまい、ロクサーヌたちユニオンのメンバーは必死で彼を追う。

 

彼はあるパブに連れていかれ、金と引き換えに入札用の端末を手に入れるが、店を出た途端、何者かが襲って来た。ロクサーヌの援護のもと、端末を持って逃げるが、超人的な女と格闘する羽目になり、端末は踏まれた上に水没し、使い物にならなくなってしまった。

敵は、持っていた銃から判断してロシア人だと推察された。

 

こうしてマイクの最初の任務は失敗に終わった。失敗は二度目なので「内通者」がいるのではないかとあるメンバーは疑問を口にした。しかし、ブレナンは皆を信じていると語った。

 

ロクサーヌは端末を手に入れた別のグループから端末を奪えばいいと提案する。こうしてマイクの二度目のミッションが始まった。死闘の末、端末をゲットするが、車の中から指示を出していたユニオンの仲間の一人が殺されてしまう。

 

入札に参加したユニオンは、入札のアナウンスがどこから行われているかを突き止めようとしていた。情報処理の達人であるメンバーがついにその場所を割り出し、マイクとロクサーヌが急行するが、思いもよらぬ事実が判明する。

 

やがて舞台はイストリア半島へと移り・・・。

 

Netflix映画『ザ・ユニオン』感想と解説

(C)Netflix

「ユニオン」は、FBIやCIAのようなアイビーリーグ出身者のインテリで占められる組織とは違い、労働者階級出身者からなる組織であるのが特徴だ。

 

彼らは「実行部隊」としての誇りを持っている。メンバーの中には以前Amazonの倉庫で働いていて、システムを改善して暇になった管理職が皆クビになったという逸話の持ち主もいる。そんな中に、建設作業員のマイクが加わることになるのはある意味必然だったのだろう。

 

ただ、この設定は展開が進むにつれ、あまり意味をなさなくなってしまい、よくあるスパイものになってしまうのが惜しい。そもそもハル・ベリーのキャラクターはCIAやFBIで働いていてもおかしくないキャラクターではないか。

 

とはいえ、休日にのんびりとネットで映画でも観ようかという際に、この映画を選択するのは悪くない。取り立てて斬新な試みがあるわけではないが決して退屈させないし、シンプルに面白い。アクションは小気味好く、三台の車が激走し合うカーチェイスも迫力満点だ。

 

が、なんといっても特筆すべきは、主演のふたり、マーク・ウォールバーグとハル・ベリーの相性の良さだろう。実は2人は、本作で2人が演じたマイクとロクサーヌ同様、30年来の旧友だという。そのことが、マイクとロクサーヌの関係の変化に絶妙な説得力を与えている。

 

マーク・ウォールバーグが演じるマイクは、ニュージャージー州パターソンを一歩も出たことがなく、母親と同居しながら、建設作業員として生計を立てている男だ。ロクサーヌとは幼馴染で、長い間恋人同士だったが、ロクサーヌが大学進学で街を出て行ってからは会うこともなく、長い時間が過ぎた。彼が未だに独身なのはまだ彼女のことが忘れられないからだろうか。

 

もっと広い世界が観たいと故郷を出て行った者と、地元で生き続ける者。愛し合っていても人生の目標が異なる2人。地方の田舎町で暮らす人なら誰もが経験するような設定が物語を身近なものにしている。

 

そんな2人が、ある機密情報を取り戻すため、再び出会うことになる。マイクのようなまったくの素人がこんな危険な任務を簡単に引き受けるだろうか!?と疑問を持つところだが、大切な身内を人質に取られているからとか、本当の正義感に突き動かされてといったもっともらしい理由をこしらえるのでなく、かつての恋人にいいところを見せたいという強い思いのみで突破させるところが素晴らしい。映画は時にシンプルにいい加減に突き進む方が説得力をもたらすものなのだ。

 

後半に進むにつれ、2人の絆は加速度的に深まって行く。ラブロマンス風の雰囲気も漂い始めるが、キスひとつしないのは、『ツイスターズ』(2024)のデイジー・エドガー=ジョーンズとグレン・パウエルの関係性に似ている。

 

イタリアのトリエステからロンドン、さらにイストリア半島へと物語は展開していくが、それぞれの美しい街並みをうまく利用し、バラエティに富んだアクションを展開させている。

 

唯一心配なのは地元大好きで、昔からの仲間を大切にしているマイクが、今後の「ユニオン」の仕事で、地元と疎遠になってしまい、仲間から批判を受けないかということだ。「ユニオン」の活動は公に出来ないから、彼もさぞかし苦労することだろう。

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