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生きることに絶望した大人たちの挽歌『月の犬』主演・萩原聖人のオフィシャルインタビュー解禁!

『観察 永遠に君を見つめて』で第1回田辺・弁慶映画祭映検審査員賞を受賞し、Vシネマの伝説的名作『極道聖戦ジハード』を監督した横井健司が監督・脚本・編集を務めた映画『月の犬』が2026年4月24日(金)よりシネマート新宿ほかにて全国順次公開される。

 

映画『月の犬』は、連れ添った妻の病気に気づかず亡くしたことを悔やみ、極道の世界を離れ、知らない街に流れ着く男・東島を主人公に、「生きること」への絶望を描く“ジャパニーズ・ノワール”と呼ぶべき作品だ。

 

背中には刺青がびっしり入っているものの、妻を亡くした悲しみと、面倒をみることになった少年への対応から、優しさを滲ませる主人公東島を萩原聖人が、東島に影響を受ける男、南を深水元基、二人を結びつける沙織を黒谷友香が演じているほか、渋谷そらじ、やべきょうすけ、中村映里子、大後寿々花、原日出子、寺島進等が脇を固めている。

 

4月20日には完成披露上映会の開催が決定(詳細は後述)。また、公開を前に、主演の萩原聖人のオフィシャルインタビューが届いた。

 

目次

 

萩原聖人オフィシャルインタビュー

月の犬 映画 萩原聖人 画像

©PYRODIVE

──“ジャパニーズ・ノワール”と銘打たれた本作の脚本を読んで、どのような印象を持ちましたか?

 

萩原聖人(以下、萩原):まず率直に、とても面白いと思いました。そして、いまの時代にはなかなか出会うことのできないタイプの映画になるだろうなと。こういった世界観の作品を観て育ってきた人間ですが、僕自身が役者として関わったことは意外とないんです。時代の流れとともに減ってしまったジャンルですしね。だからこうして勇気と覚悟を持ってつくろうと、残していこうとする方がいるのは、やはり非常に嬉しいことです。

 

──横井監督とは撮影前に何度か打ち合わせをされたそうですね。

 

萩原:監督の思い描く映画の世界を立ち上げるために必要な時間でした。どこか懐かしい匂いのする映画ですが、この作品を観るのは、いまのこの時代を生きる人々です。本作ならではの世界観を大切にしつつも、懐古的なものではなく、現代劇として立ち上げていくべき。そんなことを話していましたね。

 

──少年・将吾と東島のやり取りが強く心に残ります。

 

萩原:これは人生に絶望した男の物語で、東島には守るべきものを失ってしまった人間の強さと弱さがあります。その身に何が起ころうとも、彼はそう簡単には変わりません。そんな男の人生に微かな変化をもたらすのが、将吾との出会いなんです。といっても、東島の根っこの部分は変わらないんですけどね。

 

──クライマックスの殺陣のシーンに驚きました。とても生々しいものに仕上がっています。

 

萩原:すごいですよね。あのシーンの東島と南には一切の理屈が通用しません。何でそんなことをするのかと聞かれたならば、「知らねえよ馬鹿野郎」っていう答えしか返ってこないと思います(笑)。殺陣なので動きは決められているわけですが、求められているのは華麗なアクションではなく、泥臭さ。かっこいいシーンをいかに崩していくのかが重要でした。撮り終えたあとは立てなくなるくらい、かなりしんどかったですね。ふたりの男が人生にケリをつけなくちゃならないシーンであり、お互いを信じてふらふらになることができました。

 

──“ジャパニーズ・ノワール”への参加を経て、何か変化はありますか?

 

萩原:出演が決まったとき、正直なところ不安もありました。先人たちが築き上げてきたひとつのジャンルに、僕が役者として関わるわけですからね。いまの時代、新しい映画はどんどん生まれていますが、こうしてひとつの系譜に連なる作品を撮って残していくことも大切なのだと分かりました。なかなかうまい言葉が出てこないのですが、この作品をやれて本当によかった。そう強く実感しています。

できればこの感情をもっとうまく言葉で表現したいのですが、それがどうにもできません。でもそれだけ、僕の中に多様な変化が生まれたということなのだと思います。

 

(敬称略 ※全文は、劇場パンフレットに掲載)

 

萩原聖人 (Masato Hagiwara)

1971 年 8 月 21 日生まれ、神奈川県出身。1994 年、映画『学校』、『月はどっちに出ている』、『教祖誕生』で日本アカデミー賞新人俳優賞、話題賞(俳優部門)を受賞。『マークスの山』(1995 年)、『CURE』(1997年)で同賞優秀助演男優賞他を受賞。近年の主な出演作に、『島守の塔』(2022 年)、『海の沈黙』(2024年)、『栄光のバックホーム』(2025 年)、『ハローマイフレンド』『君が最後に遺した歌』『2126 年、海の星をさがして』(2026 年)など。

 

映画『月の犬』完成披露上映会情報

月の犬 映画 ポスタービジュアル

©PYRODIVE

日時:2026年4月20日(月)18:30 の回(上映前)

場所:シネマート新宿スクリーン1

ゲスト:萩原聖人、渋谷そらじ、やべきょうすけ、深水元基、横井健司監督ほか(予定)

料金:通常料金 ※ムビチケ利用可能

販売:3/30(月)21:00 より劇場オンラインにて販売開始 ※残席ある場合、翌日オープン時より窓口も販売

https://cinemart.cineticket.jp/theater/shinjuku/schedule

 

・場内でのカメラ(携帯カメラ含む)・ビデオによる撮影、録音等は固くお断りいたします。

・転売目的でのご購入は、固くお断り致します。

・登壇者および舞台挨拶は、都合により予告なく変更になる場合がございます。

 

映画『月の犬』あらすじ

©PYRODIVE

最愛の伴侶を病でなくした東島(萩原聖人)は、生きる気力を失い、極道の世界から離れ、知らない街に流れ着く。何気なく入ったバーで請求をされても何も言わずに金を支払う東島に興味を持った沙織(黒谷友香)は、東島に仕事を任せるようになる。

 

一方、組織の一員である南(深水元基)は、繰り返される日常が耐えられずにいた。東島について沙織から報告を受けた南は、東島が景色を変えてくれることを期待し、東島に一人の少年・将吾(渋谷そらじ)の面倒を任せる。沙織の元、黙々と仕事をこなしてきた東島だが、将吾の秘密を知ったことをきっかけに、指示に背き、将吾を外に連れ出し...

 

映画『月の犬』作品情報

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2025/シネスコ/5.1ch/101min

出演:萩原聖人 渋谷そらじ 石田佳央 沖山翔也 大鷹明良 岡野一平 沖原一生 やべきょうすけ 中村映里子 大後寿々花 原日出子 寺島進 深水元基 黑谷友香

監督・脚本・編集:横井健司 エグゼクティブプロデューサー:藤澤謙 キャスティングプロデューサー:山口正志 音楽:遠藤浩二 撮影監督:松本貴之 録音:⻄岡正⺒ 美術:石毛朗 スタイリスト:薮内勢也 ヘアメイク:駒水友紀 肌絵師:田中光司 アクションコーディネーター:出口正義 キャスティングスーパーバイザー:柿崎ゆうじ 助監督:安川徳寛 制作担当:大川奏耶

製作 T-REX FILM 配給 渋谷プロダクション