反社会で生きてきたが、連れ添った妻の病気に気づかず亡くしたことを悔やみ、極道の世界を離れ、知らない街に流れ着く男・東島。その男に南と同じ匂いを感じ、仕事に誘う沙織。東島に触発され、「その先が見たい」と日常の淡々とした繰り返しを変えようとする南。「月にいる犬が吠えている」と言う一人の少年との出会いで、生きることに絶望した大人たちそれぞれの日常が連鎖的に変わっていく...
映画『月の犬』は、「生きることへの絶望」を描く、“ジャパニーズ・ノワール”と呼ぶべき作品だ。『観察 永遠に君を見つめて』で第1回田辺・弁慶映画祭映検審査員賞を受賞した横井健司が、監督・脚本・編集を務めた。

背中には刺青がびっしり入っているものの、その、妻を亡くした悲しみと、少年への対応から、優しさを滲ませる東島を繊細に演じるのは、数々の映画賞を受賞してきた実力派の萩原聖人。東島に影響を受ける南は、深水元基、二人を結びつける沙織は、黒谷友香が演じる。
その他、東島を動かす少年・将吾役で渋谷そらじ、東島の元部下役でやべきょうすけ、東島の妻・柚木役で中村映里子、沙織が雇うホステス役で大後寿々花、柚木の母役で原日出子、南のボス役で寺島進が脇を固める。
この度、映画『月の犬』が2026年4月24日(金)〜5月14日(木)の期間、シネマート新宿にて公開されることが決定! 続いて全国順次公開されることも発表された。それに伴って、ポスタービジュアルが解禁。監督・脚本・編集を務めた横井健司からコメントが届いた。
映画『月の犬』監督・脚本・編集 横井健司 コメント
初期の頃のVシネマにあった潤沢な予算がないながらもスタッフ、キャストの熱意でそれを超えるものを生み出していたあの頃のような作品を作りたいとエグゼグティブプロデューサーの藤澤謙からの申し出を受け、ゼロベースからスタート。本来の台本作りとは異なり、物語を語るのではなく東島龍という人物の心のありようが物語を紡いでいく形をとりました。
彼の辿る軌跡を追っていく事で必然的に物語が生まれてくるようにしました。
抗いようのない喪失感を抱えたひとりの男を、その佇まいや生きながらえることを切望しないその眼差しで見事に演じきった萩原聖人さんは東島龍そのものでした。
昂らない魂を持て余して生きながらえるよりも、死と隣り合わせの恍惚感を求めて生き急ぐ南辰也を深水元基さんは静と動をうまく取り込んで演じてくれました。
抗っても現実は何も変わりはしないことを知っている名波沙織。それでも生き続けることを選択する。そんな彼女の強さを体現してくれた黑谷友香さんには感謝しかありません。
こんな映画が見たいというひとりの男の思いが『月の犬』を作り上げました。ひとりの熱意でもそれが伝わればこうして作品となり、その思いを届けることができる。こんなに嬉しいことはありません。是非とも劇場でご覧ください。
映画『月の犬』あらすじ
最愛の伴侶を病でなくした東島(萩原聖人)は、生きる気力を失い、極道の世界から離れ、知らない街に流れ着く。何気なく入ったバーで請求をされても何も言わずに金を支払う東島に興味を持った沙織(黒谷友香)は、東島に仕事を任せるようになる。
一方、組織の一員である南(深水元基)は、繰り返される日常が耐えられずにいた。東島について沙織から報告を受けた南は、東島が景色を変えてくれることを期待し、東島に一人の少年・将吾(渋谷そらじ)の面倒を任せる。沙織の元、黙々と仕事をこなしてきた東島だが、将吾の秘密を知ったことをきっかけに、指示に背き、将吾を外に連れ出し...
映画『月の犬』作品情報
2025/シネスコ/5.1ch/101min
出演:萩原聖人 渋谷そらじ 石田佳央 沖山翔也 大鷹明良 岡野一平 沖原一生 やべきょうすけ 中村映里子 大後寿々花 原日出子 寺島進 深水元基 黑谷友香
監督・脚本・編集:横井健司 エグゼクティブプロデューサー:藤澤謙 キャスティングプロデューサー:山口正志 音楽:遠藤浩二 撮影監督:松本貴之 録音:⻄岡正⺒ 美術:石毛朗 スタイリスト:薮内勢也 ヘアメイク:駒水友紀 肌絵師:田中光司 アクションコーディネーター:出口正義 キャスティングスーパーバイザー:柿崎ゆうじ 助監督:安川徳寛 制作担当:大川奏耶
製作 T-REX FILM 配給 渋谷プロダクション