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韓国映画『デシベル』あらすじと感想/キム・レウォン×イ・ジョンソク×チャウヌ共演!あらゆる音が爆発の脅威になる手に汗握るサウンドパニックアクション

韓国の大都市の一つ、釜山の民家で爆発事件が発生。それは高IQ爆弾魔の連続テロ行為の始まりだった。

 

騒音に反応して爆発するという特殊な爆弾を操る犯人が予告電話をかけた相手は元海軍副長カン・ドヨンだった。カン・ドヨンは爆発を阻止するべく現場に急行するが・・・!

 

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主役のカン・ドヨンを演じるのは映画『江南ブルース』(2015)、『最も普通の恋愛』(2019)など、様々な役柄を自在にこなすキム・レウォン。また、ドラマ『ビッグマウス』(2022)や映画『君に泳げ!』(2013)、『THE WITCH/魔女 -増殖-』(2022)などで知られる人気俳優、イ・ジョンソクや、K-POPボーイズグループ・ASTROのメンバーで、本作が映画出演デビューとなるチャウヌなど、豪華俳優が結集。

 

あらゆる音が爆発の脅威になるというかつてない設定と息もつかせぬ展開で韓国興行収入ランキング初登場第1位を記録。圧倒的なスケールで贈るサウンドパニックアクションだ。

目次

映画『デシベル』作品情報

(C)2022 BY4M STUDIO, EASTDREAM SYNOPEX CO., LTD, MINDMARK Inc. ALL RIGHTS RESERVED.

2022年製作/110分/G/韓国映画/原題:데시벨(英題:Decibel)

監督:ファン・イノ 撮影:パク・ジョンチョル 美術:キム・ギョンホ 衣装:ホン・スヒ 編集:キム・チャンジュ 音楽:モク・ヨンジン 主題歌/挿入歌:チャウヌ

出演:キム・レウォン、イ・ジョンソク、チョン・サンフン、パク・ビョンウン、チャウヌ、イ・サンヒ、チョ・ダルファン、イ・ミンギ

 

映画『デシベル』あらすじ

(C)2022 BY4M STUDIO, EASTDREAM SYNOPEX CO., LTD, MINDMARK Inc. ALL RIGHTS RESERVED.

訓練を終えて帰還途中だった海軍潜水艦は、突然現れた魚雷のため、海底に沈んでしまう。台風も重なり捜査は難航。二週間後にようやく発見され、隊員の約半数が奇跡的に生還した。

 

彼らが生き延びられたのは副長だったカン・ドヨン中佐のおかげであると人々は口にした。実際、彼は隊員たちに絶大な信頼があった。

 

一年後。 カン・ドヨンの携帯に正体不明の男から電話がかかってくる。一軒家と公園に爆弾を仕掛けた、どちらかを選べと男は言い、電話は切れた。しばらくして一軒家で爆発が起こったというニュースが流れカン・ドヨンは愕然とする。

 

その時、再び男から電話がかかって来た。釜山アシアード競技場に爆弾を仕掛けたと男は語った。その爆弾は一定デシベルを超えると爆発するという。

 

競技場には大勢のサッカーファンが詰めかけ、人々が大声で声援を送っていた。カン・ドヨンはスタジアム中を走り回り、VIP席の水槽に爆弾を発見。人々を避難させた直後、爆発が起こった。

 

呆然とするカン・ドヨンだったが、すぐに犯人から三度目の電話がかかって来る。今、爆弾処理班のお前の女房が公園の爆弾処理に向かっているが、うまく阻止することはできないだろう。もう一つ、今度は市民プールに爆弾を仕掛けた。どちらかを選べ、と男は言い電話は切れた。

 

カン・ドヨンの妻のチャン・ユジョンは懸命に爆弾処理にあたっていた。しかし、周辺で大きな音がするたびに、制限時間が急に少なくなることに気付いた。この爆弾は騒音が一定のデジヘルを超えると制限時間が半減して爆発するという特殊爆弾だった。

 

果たして何者が、なんの目的でこのようなテロ行為を行っているのか!? カン・ドヨンは懸命に車を走らせるが、さらに悪いことに、娘のソヨンが誘拐されてしまう・・・。

 

映画『デシベル』感想と評価

(C)2022 BY4M STUDIO, EASTDREAM SYNOPEX CO., LTD, MINDMARK Inc. ALL RIGHTS RESERVED.

爆弾テロを描いた本作だが、なんといっても騒音が100デシベルを超えると爆発するという設定がユニークだ。

 

車のクラクションや、子どもの声、鳥の鳴き声など普段特に気にもしていない日常の音が、急に耳に入って来る。私たちが普段、どれほど日常の騒音に慣れて鈍感になっているかを思い知らされることになる。

 

爆弾処理をしている最中に近隣の住民が建付けの悪い窓を無理やり開けようとして不快な音をたてたり、サッカー会場の観客の興奮が頂点に達すると、にわかに緊張が高まる。仕掛けられた爆弾は騒音が一定のデジヘルを超えると制限時間が半減して爆発するという特殊爆弾なのだ。

 

この設定が面白いのは、周りの人々に大声で避難を報せられないことだ。もし、避難させようとすれば、スタジアムの騒音を上回る音声での警告が必要だし、そうなると観客は一斉に騒ぎ始めてあっという間に爆発が起きるだろう。だからキム・レウォン扮する主人公のカン・ドヨンは全てをほぼひとりで処理しなくてはならないのだ。

 

プールの底の排水溝部分に仕掛けられた爆弾をドヨンが発見した際には、犯人の策略によって休憩していた人々が一斉にプールになだれ込んでくるのだが、無邪気に水遊びをする人々の姿をプールの底から見上げるようにして撮っている(えーとこれ、かなり深いプールなのだが、結構子供もたくさん泳いでいます…)。

爆弾があるとわかった途端、その人々の足の動きで現場がパニックになっている様子が伝わって来る。プールの底から見上げるセンセーショナルな映像という点でビリー・ワイルダーの『サンセット大通りの』プールにうつ伏せに浮かぶ死体の場面を一瞬思い出してしまった。

 

爆発の大きさもそれぞれで、小爆発もあれば大爆発もあり、からぶりもあるという、このあたりも実に巧みだ。爆発シーンは全てCGに頼らず実際に爆発させて撮影したという。

 

犯人は何が目的で、爆弾テロを行っているのか。一年前の潜水艦事故の忘れたくても忘れられない悲しい事実が明らかになっていく。

 

ヤクザ役がはまるかと思えば、ラブコメの主人公も鮮やかにこなす俳優、キム・レウォンが、主人公の元海軍副長を演じ、スタントなしのアクションを颯爽とこなしている。

イ・ジョンソクもはまり役だろう。『THE WITCH/魔女 -増殖-』などよりもずっといい。また、本作が映画出演デビュー作となったチャウヌは出番は多くないものの、心にずしりと残る存在感を見せている。

 

サッカー場でドヨンと偶然知り合い、行動を共にすることになる記者のオ・デオ役のチョン・サンフンがコメディリリーフでいい味を出しているが、後半はほとんど何の役にもたたず、そこがちょっともったいなかった。

 

ともあれ、韓国映画のパニックものにははずれがないという印象があるが、本作もそのことを実証する見応えある作品に仕上がっている。

 

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