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熊本豪雨の被災地が舞台『囁きの河』地元の老舗旅館の営業再開を目指す女将を演じる清水美砂公式インタビューが到着

2020年に発生した熊本豪雨により球磨川が氾濫し、壊滅的な被害を受けた人吉球磨地域。母の訃報を受け、22年ぶりに帰郷した男は、変わり果てた故郷を前に失われた過去と現実に向き合うが……。

 

熊本豪雨の被災地・球磨川を舞台に、失くした居場所を取り戻すまでを描く映画『囁きの河』が、6月27日より熊本・熊本ピカデリーで先行上映。7月11日から東京の池袋シネマ・ロサほか全国で順次公開される。

 

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2004年から熊本県のグリーン・ツーリズムに尽力してきた青木辰司(東洋大学名誉教授)がエグゼクティブ・プロデューサーを、連続テレビ小説「おしん」の大木一史が監督を務めた。いまだ災害の爪痕が残る現地での取材を重ねながら復興の歩みを見つめ、その土地で生きる人々の希望と再生を自然の力と併せて描いた作品だ。

 

主人公の孝之を演じた中原丈雄は熊本県人吉市出身。故郷を背負う覚悟とともに、寡黙で無骨な男の秘めた熱情を生き様で語った。地元の老舗旅館の営業再開を目指す女将には清水美砂、その夫に三浦浩一、孝之の息子に渡辺裕太、文則の元同級生に元AKB48の篠崎彩奈。また、孝之の隣人である夫婦を不破万作宮崎美子が演じている。

 

公開を前に清水美砂のオフィシャルインタビューが届いた。

 

目次

 

映画『囁きの河』出演・清水美砂オフィシャルインタビュー

©Misty Film

ーー2020年の熊本豪雨による水害をどのように受けとめていましたか?

清水美砂(以下清水):当時は私、日本にいなかったんですね。ニュースでは見ましたけども、実状はよくわからなかったんです。私自身は熊本の生まれでもなく、大きな災害を経験したこともありません。ただ、演じるとなれば、どこかで生身の自分が入り込んでいかないといけない。劇中で宏一が「あん雨は、経験したもんじゃなかとわからん」と言いますけど、まさしくそうだと思うんですね。その葛藤はありましたけど、昔から私のことを知ってくださっている大木監督と中原さんを信じてやってみようと思いました。

 

ーー序盤で雪子と宏一が倒壊した旅館に戻るシーンがありました。

清水:心が痛みました。現地に行くと、川沿いの建物やお店が廃墟になったままたたずんでいて、ものすごい静寂なんです。人間が住まなくなると本当に生気がなくなるんだなと。以前はそこに人々が集まって、笑い声もあったわけですよね。くま川鉄道の一部区間は今も運休中で、その先にある集落に住む子どもたちは他の町の学校まで通っている。今後の防災のために町自体が遊水池に指定されてしまった地域もある。復興はこんなにも難しいのかと、何とも言えない気持ちになりました。

 

ーー雪子のモデルは人吉に実在する老舗旅館の女将さんだそうですね。

清水:撮影中はそこで寝泊まりもさせてもらって大変お世話になりました。温泉旅館は温泉が命なんですよね。どんなに建物を新しくしても、温泉が出なかったら営業はできない。水害後に温泉が出たときの喜びは涙ものだったという話を聞いて、映画のシーンとしては短いエピソードですけど大事に撮りたいなと思いました。

 

ーー豪雨の被害は宏一との夫婦関係にも及んでいます。

清水:宏一はあまりにも辛い思いをしているから、三浦さんと役について話し合うことはほとんどしませんでした。それよりも、どこか似ている夫婦関係でありたいなと思ったんです。そういうセリフじゃないところのやり取りを、三浦さんとは表現できたかなと思います。

(敬称略/パンフレットにフルバージョンが掲載されます)

 

映画『囁きの河』あらすじ

©Misty Film

2020年、熊本を襲った豪雨から3か月。母の訃報を受けた孝之(中原丈雄)は22年ぶりに帰郷するが、仮設住宅で暮らす息子の文則(渡辺裕太)は、かつて自分を捨てた父に心を開こうとしない。

 

幼馴染の宏一(三浦浩一)が営む旅館「三日月荘」もまた半壊の痛手を負っていた。女将の雪子(清水美砂)が再建を願う一方、父を土砂で亡くした宏一は前を向けず、災害は夫婦の間にも亀裂を生む。

 

その頃、球磨川くだりの再開を信じて船頭を志す文則は、かつての同級生・樹里(篠崎彩奈)と再会。隣人の直彦(不破万作)と妻のさとみ(宮崎美子)は仮設から自宅に戻ることを決め、孝之も水害で荒れた田畑の開墾に希望を見出していく。

 

「居場所ばなくしたら、自分で取り戻すしかなか」

 

河とともに生きてきた人々は、それぞれの歩み方で明日へ進もうとしていた――。

 

映画『囁きの河』作品情報

©Misty Film

2024/日本映画/アメリカンビスタ/5.1ch/DCP/108min

出演:中原丈雄、清水美砂、三浦浩一  

渡辺裕太、篠崎彩奈、カジ輝有子、木口耀、宮﨑三枝、永田政司、堀尾嘉恵、福永和子、白砂昌一、足達英明、寺田路恵、不破万作、宮崎美子

監督・脚本 大木一史 エグゼクティブ・プロデューサー:青木辰司 チーフプロデューサー;竹内豊 プロデューサー:見留多佳城、有馬尚史、山本潤子、松山真之助 協力プロデューサー:進藤盛延、上村清敏 音楽:二宮玲子 撮影監督:山中将希 録音:森下怜二郎 整音:萩原一輔 美術監督:有馬尚史 衣装:宿女正太 ヘアメイク:高田愛子 助監督:東本仁瑛 制作進行:伊佐あつ子 スチール:中村久典 操舵指導:藤山和彦 方言指導:前田一洋  人吉球磨茶監修:立山茂 農作業指導:大柿長幸 被災体験の伝承:本田節、堀尾里美、宮崎元伸、小川一弥、山上修一

後援:熊本県、くまモン、熊本県人吉市、球磨村、相良村、山江村、ヒットビズ、宮城県大崎市、人吉商工会議所、JR貨物労組 協力:日本航空、JR九州 特別協賛:人吉旅館、宮原建設(株)メモリアル70th、株式会社すまい工房、株式会社白砂組 メディア協賛:TKUテレビくまもと 協賛:大海水産株式会社、高橋酒造株式会社、球磨川くだり株式会社、ひとよし森のホール、Cafe 亜麻色、THE 和慶 制作プロダクション:Misty Film 配給:渋谷プロダクション

 

www.chorioka.com

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