2024年1月にユーロスペースで2週間限定上映され、その後、全国順次公開されたバイオレンス・サスペンス映画『獣手』。
主演の福谷孝宏が自ら企画した本作は、失われた左手が異形のものへと変わってしまった男が繰り広げる凄惨な戦いを描き、愛と再生を見つめたJスプラッター。
福谷自身の出資で映画の前半部を撮影し、後半部の製作費をクラウドファンディングで募って完成にこぎつけた。
共演には本作がきっかけで福谷と結婚した和田光沙をはじめ、川瀬陽太、松浦祐也、上西雄大、諏訪太朗ら実力派俳優陣が集結。
『ラブ・シャーク心霊調査ビッグサマー』(2022)、『怪奇タクシー 風の夜道に気をつけろ!』(2022)などを手がけた夏目大一朗がメガホンをとった。
この度、映画『獣手』が世界三大ファンタスティック映画祭の一つ「シッチェス・カタロニア国際映画祭2024」のミッドナイト・エクストリーム部門に入選。夏目大一朗監督、と福谷孝宏が現地ティーチインに参加することが決まった。
さらに国内での凱旋再上映も決定し、本作をいち早く評価していた斎藤工、吉岡里帆等、著名人の応援コメントが届いた。
シッチェス・カタロニア国際映画祭2024》とは?
開催期間:2024年10月3日(木)〜10月13日(日)
ベルギー・ブリュッセル国際ファンタスティック映画祭、ポルトガル・ポルト国際映画祭と並ぶ「世界三大ファンタスティック映画祭」のひとつ。
スペイン・バルセロナ近郊のリゾート地シッチェスで毎年10月に開催され、ファンタジー映画・SF映画・ホラー映画・アニメーション映画などのジャンル映画に特化した、世界でも権威ある国際映画祭として知られる。
映画『獣手』グローバルリリース&日本凱旋上映の応援コメント
『獣手』はジャンル映画に括れない
これまで誰も観た事の無い『獣手』と言うジャンルの作品
福谷さんと和田さんの映画への実直な向き合い方に
心地良くぶん殴られる
──斎藤工(俳優・映画監督)
和田光沙さんが兎に角素敵でした。
ファンタジーなのにどこまでも生々しく泥臭い・・・女性の持つ独特な激しい愛と切なさに心打たれました。
男性の持つ獣手は人生への絶望感や劣等感、不甲斐なさ、様々な負と怖を含んでいるようで悲しかった。
──吉岡里帆(女優)
序盤で寄せた眉間の数が一度も元に戻らないままエンディングを迎えた。
登場人物たちから噴き出し続ける臭いの強さに打ち負かされてしまったのかもしれない。
あのラストカットを、私はきっとこれから何度も思い出してしまうだろう。
生き抜かなければ、と思った。
──酒井若菜(女優・作家)
気づけば息を止めて見ていた。
こちらまで何らかの狂気に襲われそうな緊張感はリアルと「ありえない」の境界線をなくしていく。
圧倒的な熱量と吐く息の白さはスクリーンを通して本気を感じさせる。
──佐伯日菜子(女優)
監督・キャストプロフィールとコメント
監督・脚本:夏目大一朗
『獣手』の主人公は僕そのものです。
明確なビジョンなく、人に流され、フラフラと大人になってしまった自分自身。小さな小さな一歩から作られた作品。
人間の本能的な暴力性と、愛の持つ救いの力を描きたいと思った。まだはじまったばかり。
いつだってやり直せる。と修と小雪に言ってやりたい。
この作品があなたの心を少しでも動かしたなら幸いです。
プロフィール
1976年生まれ。東京都出身。ビッグサマー合同会社代表。
日本映画学校(現:日本映画大学)10期を卒業後、映像制作会社での勤務を経てフリーランスに。2009年に『スリーデイボーイズ』で商業監督デビュー。
主な監督作に『イド・シャーク ~心霊調査ビッグサマー~』『ラブシャーク』『ラストシャーク』などの国産サメ映画がある。
また心霊・オカルトを多角的に調査するニコニコ生放送でのチャンネル「心霊調査ビッグサマー」でも活動中。
主演・プロデューサー:福谷孝宏
2020年、社会に押し潰されそうになった僕は映画を作るしかないと思った。
この映画製作を期に脱サラして、新しい家族ができ、多くの仲間に支えられ2024年、劇場公開を遂げ多くの方に観て頂いた。
『獣手』は私の人生を大きく変えた映画で、現時点での私の最高傑作だ。
まだまだ沢山の人に届くことを願って!
プロフィール
2008年に俳優を目指し大阪から上京。
『超高速ホットパンツロード』 『デッドクック』などの多数のVシネマ作品をプロデュース・出演。
2017〜2021年、映像制作会社ノアドで活動。幅広いジャンルの映像作品の制作を行い、退社後に主演・プロデュース作『獣手』を製作する。
映画『獣手』のあらすじ
貧しいながらも淡々とした日々をすごしていた小暮修(福谷孝宏)。彼のもとに、ある日突然現れた先輩の乾(川瀬陽太)。乾は修の家にあがりこみ、修にかつて関係のあった小雪(和田光沙)を呼び出させる。
暴力で修と小雪を支配し、二人に強盗をさせようとする乾であったが計画は失敗、修は左手を失ってしまう。修は、”闇医者”別所(夏目大一朗)により一命を取り留めたが、その手は異形のものになっていた。手を切り落とした強盗団へ復讐を誓いながら、住んでいた街を離れる修と小雪。
異形の手を巡る、凄惨な戦いが始まった。
映画『獣手』の作品情報
2023年/日本映画/カラー/256:135/77分
監督:夏目大一朗 脚本:春日康徳、夏目大一朗 プロデューサー:福谷孝宏 配給・制作・製作:映画畑 配給協力:Cinemago