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霧生笙吾監督の「SKIPアワード賞」受賞作品『JOURNEY』の予告編が解禁!鶴田法男監督、俳優・小原徳子、ライター・月永理絵らからの応援コメントが到着!

霧生笙吾が武蔵野美術大学の卒業制作として脚本・監督・製作を務めた映画『JOURNEY』は、SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2022・国内コンペティション長編部門に入選し、才能ある次世代映画作家に贈られる「SKIPアワード賞」を受賞。また、2023年6月には欧州最大の日本映画祭であるドイツの「ニッポン・コネクション」にて上映されるなど、その独自の映像感覚が国内外で高く評価されている。

(C)JOURNEY 2023/Cinemago

霧生笙吾監督は、大学在学中に「亡くなった母親が骨壷として家に戻り、火葬の際に焼け残った母親の銀歯を取り出す」という内容の20分の短編映画を制作。そこで描かれた “肉体が朽ちていくことへの恐怖”をより発展させ、脚本を構想。“肉体と意識の隔たり”を“壮大な宇宙"と"親子2世代の継承"というモチーフで描いた、全編60分のアブストラクトSF詩篇を誕生させた。

 

2023年10月21日(土)より池袋シネマ・ロサで劇場公開されるにあたり、映画祭上映から装いを新たに霧生監督自ら“ファイナル・カット版”と題して再編集。SF詩篇の世界を支える鮮やかな音楽を調整する整音を、『夢見るように眠りたい』、『地獄の警備員』、『ヘブンズ  ストーリー』の録音技師で知られる鈴木昭彦に依頼し、喪失と回帰の輪廻を描く『JOURNEY』の映像世界に新たな命が吹き込まれた。

 

このたび、劇中でも使用されているフランツ・リストのピアノ曲「おお、愛しうる限り愛せ」にのせて紡がれる1分30秒の予告編が解禁。

 

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あわせて「Jホラーの父」鶴田法男監督、主演映画『卍』『いずれあなたが知る話』が公開中の小原徳子、ライター/編集者の月永理絵等からの応援コメントが到着した。

 

映画『JOURNEY』への応援コメント

(C)JOURNEY 2023/Cinemago

鶴田法男(映画監督/小説家)

私は「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2022/国内コンペティション部門」の審査員を努めていたので、本作を「SKIPシティアワード」に推した1人でもあります。私が『JOURNEY』を評価した理由は、『2001年:宇宙の旅』、『惑星ソラリス』等に刺激を受けながらも、VFXや未来的美術セットに頼らないSF映画であるジャン=リュック·ゴダールの『アルファヴィル』や『愛すべき女·女(め·め)たち』内『二〇〇一年愛の交換“未来”』や、ジョージ·ルーカスの『電子的迷宮/THX-1138:4EB』の系列に本作があると思ったからです。私と同年代の観客はSF映画が輝いていた70年代の懐かしくも幸福な映画体験が出来るでしょう。それは、今の若い人々には新鮮な体験になると思います。

 

小原徳子(俳優/脚本家)

未来の物語でありながら、描かれているのは普遍的なもので、この世界に順応しきれずに生きるしかない登場人物たちの心情と、光が持つイメージが徐々に変わっていく展開にゾッとする。

希望を持つということは、孤独や痛みとの戦いであると教えられた。

 

月永理絵(ライター/編集者)

微小なものから、ふいに巨大な何かが現れる。その瞬間を目撃することが、映画を見る何よりの喜びだ。手のひらに握られた小さな石ころから無限の時間が広がっていく『Journey』は、まさにこの驚くべき瞬間をつくりだすことに賭けた、実に勇敢な映画だと思う。

 

日向史有(ドキュメンタリー監督)

映画は、とても純粋に問いかけてくる。

身体と意識を隔てるものはなにか。自分と他者の境界はどこか。

痛みのない世界で生きる時間は幸せなのか。そして、自分とは誰か。

そんな普遍的な問いと一途に向き合い制作された「美しい作品」に、心が震える。

 

クリストフ・シャルル(武蔵野美術大学教授)

日常的な風景を旅しているが、日常の時間枠の外と感ずる。いわば平行世界という概念にも似ている。

映画『JOURNEY』では、空間、時間、色彩、音の構成、それらの間隔や動きが細かく統一されている。各要素は、割り当てられた場所にあるが、その位置付けは要素を混乱させるものではない。余裕を持って展開する時間と空間の範囲内で、我々は自由に見聞きすることができる。環境音、動作音、登場人物の声が、互いを妨げることなく重なり合っている。登場人物と環境はぶつかることなく共存し、前景と背景の関係は有機的で柔軟だ。同じように、地球と宇宙の環境は互いに重なり合っている。それは内省と旅への誘いであるが、現実からの逃避を望んだとしても、逃避ができるわけではない。旅は今この瞬間、音と光とともにする。

 

神威杏次(俳優/映画監督)

誰もが思考する力を奪われたような昨今の世の中で、考えることの大切さを教えてくれる。

今すぐテレビを消して、劇場に向かって頂きたい。

そして、やがて襲ってくるであろうコマーシャリズムという敵と彼がどう闘っていくのか。

僕らは、ぜひ見届ける必要がある。

映画という文化の本質を、後世に残していける数少ない旗手として。

 

芦澤明子(カメラマン)

丁寧に撮られた圧倒的な映像と、豊かな音に包まれた本作は監督が、思い描くSF映画の枠を大きく飛び抜け、いつのまにか日常の中にしっかり絡みついてきている。

父や家族のことまでも。

生まれる時も1人、死ぬ時も1人か、なんて思わずつぶやいてしまう、

そんな旅の映画です。

 

田中晴菜(映画監督)

切り取る画に、ショットの組立に、霧生監督の信じる美学が通底している。

旅に目的地が無くても、詩に主旋律が無くても、彼が放ったその一滴は、ひとつのところに向かうのだろう。

 

宗野賢一(映画監督)

未来を描くSFでありながらも、「今」を強く感じる。

もし今、この映画で描かれる肉体から意識を解放することが可能になったならば、どれだけの人がその選択を行うだろうか。

霧生監督は詩的な映像を用いて私たちの意識を現実から解き放ってくれる。

一見、悲観的な物語だが、どこか希望を感じさせる光を使った演出からは、真理への探求心を持ち続ける人間に対する監督の優しい視線を感じることができる。

 

渡邉正峰(東京大学准教授 専門分野:認知神経科学)

“意識化”することによる精神の肉体からの解放。“共同意識化”すれば、金輪際、孤独に苛まれることもない。そんなあるかもしれない未来を珠玉の映像美で描きだした本作に心惹かれた。わたし自身、意識研究を生業としている。意識の神経メカニズムを解き明かし、その副産物として「意識のアップロード」を実現しようとしている。意識のアップロードが実現したとき社会はどのように変わるのか。そんなことを頭の片隅で考えつづけてきたが、本作をとおして、なによりも大切なのは個々人の内面であることに気付かされた。巨匠霧生監督のデビュー作をご覧になり、“意識化”の未来がはたしてディストピアなのか、はたまた精神の楽園なのか、ご自身の目でぜひ確かめてほしい。

 

堤真矢(映画監督)

混じり気なしの純粋SF。

 わからない。もどかしい。

 

何を感じる“べき”なのか。

正解が知りたい。でも考察記事や解説動画は見たくない。

登場人物と一緒に答えのない探究へと連れ去られる、得体の知れない体験。

画の醸し出す圧倒的オーラと、ゆったりと流れる深遠。

そう、この「わからなさに身を委ねる」感覚こそが、実は生きるということなのではと思い出させてくれる。

 

でも一番理解が追いつかないのはこれが卒業制作ということ…

恐ろしい才能!

(敬称略/順不同)

 

映画『JOURNEY』作品情報

(C)JOURNEY 2023/Cinemago

2023年/日本/カラー/シネスコ/DCP/60分

脚本・監督・編集:霧生笙吾 撮影:蔡融霖 照明:奥田夏輝、林崎征大 録音:井口暁斗 美術:成田大喜 整音:鈴木昭彦 宣伝デザイン:富永諒 宣伝:滝澤令央 宣伝協力:武蔵野美術大学 配給:Cinemago 劇中曲|ピアノ曲「愛の夢(三つの夜想曲)第三番・変イ長調『おお、愛しうる限り愛せ』

出演:宮﨑良太、伊藤梢、森山翔悟、みやたに、山村ひびき、廣田直己

 

映画『JOURNEY』あらすじ

(C)JOURNEY 2023/Cinemago

肉体から意識を解放することが可能となった近未来。

宇宙飛行士になることを諦め、地球で働く慶次は、心を病む妻の静と暮らしていた。

ある日、慶次は新たな宇宙開発の噂を聞き、静とともに「積極的選択としての死」にも等しい“意識のみの存在”になることへ憧れを抱き始める。

 

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