2026年7月は、夏期休暇を目前に控え、Netflix、Amazon Prime Video、U-NEXT、Disney+、Apple TV+の主要5社が、年間を通じても最大級の予算を投じた大型コンテンツを一斉にリリースするため、話題作が目白押しだ。
7月に日本国内で独占配信・オリジナル配信される各プラットフォームの主要作品をまとめた。
目次
Netflix
Netflixの2026年7月のラインナップは、日本発のハイエンドなアニメーションと実写ドラマ、さらにはアジア市場を牽引する韓国ドラマ、そして世界各国の多様なオリジナル作品群という四つの強固な柱で構成されている。
アニメシリーズ『二十世紀電氣目録-ユーレカ・エヴリカ-』
2026年7月5日よりNetflixにて世界独占配信が開始されるアニメシリーズ『二十世紀電氣目録-ユーレカ・エヴリカ-』は、国内外に熱狂的なファンを持つ京都アニメーションが制作を手掛け、太田稔が監督を務める新作作品だ(日曜日に新作エピソード配信)。
物語の舞台は、我々の知る歴史とは異なる進化を遂げ、蒸気機関のみが発達して厚い煙に包まれた20世紀初頭の京都。兄を失った少年・坂本喜八(声:内田雄馬)と、信仰心に縛られた少女・百川稲子(声:雨宮天)が、失われた「二十世紀電氣目録」を巡って夢と再生の物語を紡ぐ。
京都アニメーションはこれまで、精緻な日常描写や美しい背景美術で世界的な評価を確立してきたが、本作では「印象派絵画を思わせる挑戦的な美術背景」という新たな視覚的アプローチを採用し、クリエイティブ面での新境地を開拓している。
Netflixが国内の地上波放送(TOKYO MXやABCテレビなど)と連動しつつ、世界市場ではNetflixのプラットフォーム上で独占的に最新エピソードを配信する点にも注目だ。これにより、従来のライセンス販売や地域ごとのタイムラグが無くなり、配信と同時に京都アニメーションの高品質な作品がほぼ世界同時に鑑賞されることとなる。
Netflixシリーズ『ガス人間』(全8話)
7月2日に世界独占配信(全8話一挙配信)されるNetflixシリーズ『ガス人間』は、日本の実写映像界の長年の課題だった「予算とスケールの壁」を破壊するエポックメイキングとなる作品だ。
本作は、1960年の東宝の名作特撮映画『ガス人間第一号』をベースに、完全オリジナルストーリーで現代に甦らせたSFクライムサスペンス。
小栗旬(刑事・岡本役)と蒼井優(記者・甲野役)をダブル主演に据え、広瀬すず、林遣都、竹野内豊、青木崇高ら、日本映画界を牽引するトップクラスの俳優陣が集結している。
さらに、連続予告殺人を仕掛ける「ガス人間」という難役に、本作が俳優デビューとなる新人・UTAを抜擢した点も、プラットフォームの自由度の高さを示している。
日本国内の映像作品としては史上初となる「東京駅前全面封鎖」の撮影を敢行し、実に120箇所にも及ぶロケ地で前代未聞のアクションシーンが撮影された。Netflixと東宝の共同企画による本作は、「日本のSF・スリラーはスケール感やVFXで欧米に劣る」という固定観念を打破し、実写コンテンツにおいても日本発のIPがハリウッド作品と同等の競争力を持ち得ることを証明することになるだろう。
Netflixシリーズ『トングン -呪いの宮-』
傑作ぞろいの韓国ドラマ枠の中でも最大の目玉として挙げられるのが、7月17日に独占配信が開始される『トングン -呪いの宮-』(原題:동궁)だ。
本作はナム・ジュヒョクの兵役除隊後の復帰作として早くも大きな注目を集めており、ノ・ユンソや、韓国演劇・映像界の至宝とも言えるチョ・スンウが共演する超大作ダーク時代劇。
物語は、現世と霊界の境界を越え、呪われた宮殿(東宮)の深い秘密を解き明かすために王(チョ・スンウ)に召喚された、幽霊を討つ能力を持つクチョン(ナム・ジュヒョク)と、幽霊の声が聞こえる宮女センガン(ノ・ユンソ)の死闘と捜査を描くミステリー仕立ての作品となっている。
韓国ドラマは近年、『キングダム』に代表される「時代劇×ホラー・オカルト」ジャンルが世界的な成功のフォーマットとして確立されている。本作は、この必勝パターンに、CGを駆使した退魔アクションと宮廷内の陰謀劇(政治的サスペンス)を掛け合わせることで、さらに奥深いダークファンタジーへとジャンルを成熟させている。
グローバル・ダイバーシティ戦略の深化:多国籍オリジナル作品群
Netflixの強みは特定地域の作品に依存しない、圧倒的なグローバル・ダイバーシティにある。2026年7月も、世界各国の拠点で制作された多様なオリジナル作品が一挙に配信される。
7月1日には、ミリー・ボビー・ブラウン主演の大人気シリーズ最新作『エノラ・ホームズ3』が公開され、若き探偵がマルタ島での危険な捜査に挑む。
同じく1日には、アメリカの近隣トラブルを扱った実録クライム・ドキュメンタリー『史上最悪の隣人』が配信され、トゥルー・クライムジャンルの需要を満たす。
さらに、LGBTQ+の若者たちの瑞々しい恋愛を描き世界的な社会現象となった「HEARTSTOPPER ハートストッパー」シリーズの完結編となる長編映画『HEARTSTOPPER ハートストッパー 僕たちのフォーエバー』が7月17日に配信される。
英語圏以外の作品も充実しており、フランスのドラマ映画『失うものさえなく(Jusqu'au bou)』(7月8日)、メキシコ発のスリラーシリーズ『ぼくは怖くない(Je n'ai pas peur)』(7月8日)、辺鄙な村での性教育を題材にしたインドのコメディシリーズ『スッブにおまかせ(Super Subbu)』(7月2日)など、各国のローカルな社会課題や文化を色濃く反映した作品群が並ぶ。
また、古典的名作小説を現代の価値観で再構築する『大草原の小さな家』のリブート版(7月9日)や、1988年に発生した実話を基にした『Pan Am 103: パンナム機爆破事件』(7月30日)など、多国籍かつ多ジャンルにわたるラインナップが用意されている。
Amazon Prime Video
Amazon Prime Video(以下、Prime Video)の2026年7月の目玉は、世界的に認知された名作の「リブート」や「前日譚」だ。
『攻殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELL』国内見放題最速配信
『攻殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELL』の新作TVアニメーションが、日本国内の地上波放送(カンテレ・フジテレビ系)と連動しつつ、7月7日よりPrime Videoにて国内見放題最速配信、および海外独占配信される。
本作のアニメーション制作を担うのは、『犬王』や『ダンダダン』等で国内外から極めて高い評価を受ける気鋭のスタジオ「サイエンスSARU」。これまでProduction I.Gが長年にわたり築き上げてきた草薙素子率いる公安9課の硬派なサイバーパンクの世界観に、サイエンスSARU特有のダイナミックな画面構成と色彩感覚がどのように融合し、新たな解釈をもたらすのかが注目されている。
『エル(原題:Elle)』
海外ドラマにおける最大の注目作は、7月1日より独占配信(全8話一挙配信)されるPrime Originalドラマ『エル(原題:Elle)』だろう。本作は、公開から25周年を迎える大ヒットコメディ映画『キューティ・ブロンド』の主人公、エル・ウッズの高校時代を描く前日譚(青春ドラマ)。
物語の舞台は1995年のロサンゼルス。ハーバード大学で「場違いな存在」として奮闘する前のエルが、複雑な人間関係や禁断の恋、そして奇抜なファッションに直面しながら、いかにしてあの伝説的な“カルチャーアイコン”へと成長していったかを描く。
オリジナル版の主演、リース・ウィザースプーンが自身の製作会社ハロー・サンシャインを通じて製作総指揮を務めており、若きエル役にはオーディションでレクシー・ミネトリーが大抜擢された。
90年代のノスタルジーと現代的な青春ドラマの要素を融合させた本作は、配信開始前に既にシーズン2の制作が決定していることからも、Amazonの自信が窺える一作だ。
加えて、7月3日には人気SF映画『プロジェクト・ヘイル・メアリー』が劇場公開からわずか約3ヶ月という異例のスピードで見放題独占配信されるなど、映画ファンには忙しい夏となりそうだ。
Disney+
韓国ドラマ『殺し屋たちの店2』
Disney+(ディズニープラス)は、昨今、日本や韓国というアジアコンテンツを強化しており、7月の目玉作品は、なんといっても イ・ドンウクとキム・ヘジュンが共演し、シーズン1で世界的な高評価を得た犯罪スリラーの続編『殺し屋たちの店2』(全8話/毎週水曜日 新エピソード配信)だろう。
日本から岡田将生と玄理がメインキャストとして参戦。岡田将生は、主人公の亡き叔父ジンマン(イ・ドンウク)の過去に深く関わる「バビロン東アジア支部の傭兵“J”」というミステリアスな役柄を演じ、高度なアクションシーンも披露する。
韓国ドラマ『夫婦の結末』
さらにもう一本、7月4日(以後毎週土曜日・日曜日 新エピソード配信)より、韓国ドラマ『夫婦の結末』(全12話)が配信される。離婚を申し出た翌日に妻が誘拐され、第一容疑者の疑いをかけられた夫が、警察の追跡をかわしながら妻を救うために奔走する姿を描いたロマンティックサスペンスだ。病院の看板医師である夫カン・テジュをナムグン・ミンが演じ、テジュの妻で、病院の理事長を務めるコ・セユン役をイ・ソルが務めている。
「クリミナル・マインド/FBI vs. 異常犯罪」シーズン19
Disney+は長寿フランチャイズの独占配信による安定した視聴基盤の維持にも注力している。7月8日からは、世界的な人気を誇る犯罪捜査ドラマ『クリミナル・マインド/FBI vs. 異常犯罪』の最新シリーズとなるシーズン19が配信される。かつては米国の地上波ネットワークや多様な配信サービスで分散して視聴されていた大ヒットシリーズをDisney+が独占配信する(毎週水曜日 新エピソード配信)。
さらに、7月31日からは「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア(SSFF & ASIA)」の受賞作およびノミネート作品計20作品の配信が開始されるのにも注目だ。
U-NEXT
外資系巨大プラットフォームが世界市場を見据えた巨額投資を行う中、日本の国内市場で独自のポジションを確立し、圧倒的な強さを見せているのがU-NEXTだ。U-NEXTの強みは「国内地上波テレビとの強力な連動」「世界最高峰の海外ドラマの独占調達」「熱狂的なファンを持つライブエンターテインメントの提供」という三位一体の包囲網を完成させていることだ。
日曜劇場『VIVANT』第2シーズン
7月26日(日)より、堺雅人主演のTBS日曜劇場『VIVANT』第2シーズンが、地上波放送終了直後から独占見放題配信される。
2023年に放送され、その規格外のスケールと予測不能な展開で社会現象を巻き起こした『VIVANT』の待望の続編だ。前作に引き続き堺雅人、阿部寛、二階堂ふみら豪華キャストが出演し、福澤克雄監督がメガホンをとる。
HBOオリジナルドラマ『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』シーズン3
2026年6月22日より配信がスタートし、7月にかけて毎週1話ずつクライマックスへと向かうのが、HBOオリジナルドラマ『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』シーズン3だ。歴史的メガヒット作『ゲーム・オブ・スローンズ』の200年前を描く前日譚である本作のシーズン3は、「ガレットの海戦」と呼ばれる七王国史上最も熾烈なターガリエン家の内乱(双竜の舞踏)が本格開戦する、シリーズ最大の転換点となる。制作陣が「テレビ史上最も狂気じみた回」と語る大規模な海戦とドラゴン同士の戦闘が描かれる。
ライブエンターテインメント
7月18日には、東京国際フォーラムで開催される人気朗読劇「SOUND THEATRE×夏目友人帳 ~音劇の章 夏霞~」の夜公演を独占ライブ配信する。さらに、音楽やスポーツのライブ配信も目白押しである。7月4日にはサンボマスターの横浜アリーナ公演とGACKTのライブを、7月5日には「原因は自分にある。」のアリーナツアーを独占生配信する。また、7月20日にはボクシングのトリプル世界タイトルマッチ(増田vs比嘉の王座決定戦など)の独占ライブ配信も予定されている。
Apple TV+
「質」と「作家性」に徹底的にこだわるApple TV+は、2026年7月も少数の、しかし高品質なオリジナル作品が配信される。
SFドラマ『サイロ(Silo)』シーズン3
7月3日より配信開始となる『サイロ』シーズン3は、Apple TV+におけるSFジャンルの絶対的エース作品だ。ヒュー・ハウイーのベストセラー小説を原作とする本作は、有毒な外界から隔絶された巨大な地下施設(サイロ)で暮らす1万人の人々の謎を描くディストピアSF。
シーズン3では、レベッカ・ファーガソン演じる主人公ジュリエットが命がけで外の世界に出た後の現在軸での闘いと、数世紀前のサイロ建設の起源(オリジン)を描く過去軸が交錯するスリリングな展開となる。
ドラマ『LUCKY』

7月15日からは、アニャ・テイラー=ジョイ主演の新ドラマ「Lucky」が配信される。リース・ウィザースプーンのHello Sunshineが製作、アニャ・テイラー=ジョイ自身も製作総指揮として名を連ねている本作。アニャ・テイラー=ジョイが扮するのは、数百万ドル規模の強奪計画に失敗し、FBIだけでなく犯罪組織のボスからも追われることになった詐欺師ラッキー。アニャ・テイラー=ジョイが全編に渡って走り続けるとのことで、手に汗握る逃走劇が見られそうだ。
Apple Original映画『ディンク(The Dink)』
7月24日には、Apple Original映画としてコメディ作品『ディンク(原題:The Dink)』が世界同時配信される。アメリカで近年急速に普及しているスポーツ「ピックルボール」を題材にした本作は、落ちぶれた元テニス選手(ジェイク・ジョンソン)が、父親(エド・ハリス)のクラブを救うために嫌悪していたピックルボールに挑むというコメディ作品。
ベン・スティラーがプロデュースし、メアリー・スティーンバージェンらが共演する笑いと人情の詰まったヒューマンドラマだ。
(情報入り次第、順次更新していきます)