「サッカーをしなかった最も偉大なサッカー選手」って一体どういうこと!?
これは実際、1980 年代〜1990 年代に、その話術と数々の策で印象や情報を巧みに操り、スター選手になりすまし、マフィアの親玉を丸め込むなどして、ジーコやベベト、ロマーリオらのチームメイトとしてフラメンゴ、フルミネンセ、ヴァスコ・ダ・ガマなどのプロのサッカーチームを渡り歩いた人物がいたのである。
その人物の名は“カイザー”ことカルロス・エンヒキ・ラポーゾ。
本作は、カイザーの数々の逸話が本人や当時を知るサッカー関係者らの口から語られる他、当時の映像や写真、再現 VTR によって紹介される稀有なドキュメンタリー映画だ。
インタビューに応えたジーコは「彼はプロサッカーの面汚し」と非難しているが、特筆すべきは、2010 年に彼自身が明らかにするまで、レポーター、選手、監督、誰一人として、カイザーの嘘を暴露しなかったという事実。それほどまでに人を魅了する、カイザーの魅力とは?

フェイクニュースが増えた昨今、ファクトチェックの重要性や、自分が詐欺に加担しうる危険性を改めて感じさせる問題作が、2026年 8 月 14 日(金)よりキノシネマ新宿、池袋シネマ・ロサ、アップリンク吉祥寺ほかにて全国順次公開されることが決定!
公開を前に、このたび、特報、場面写真、鹿島アントラーズの通訳として、ジーコをはじめとするブラジル人選手・監督を支え、2002 年から日本代表通訳として 2006 FIFA ワールドカップにも帯同した、本作のポルトガル語字幕の監修を務める鈴木國弘のコメントが届いた。
このたび解禁となった特報
鈴木國弘 コメント
人それぞれ自らの人生を生きている。本来であればそれを他人がどうのこうのと言い、または否定するというのはいかがなものか。しかしながらこのドキュメンタリーを見てもわかる様に、人生は非常に多くの他人が関わって形作られている。
特にサッカーが国技でラテンの熱狂的なサポーターを有するブラジルで起きた事象である事が興味深い。おそらくその辺に制作チームはフォーカスしたかったのだろう。
"カルロス・カイザー" 個人的には 30 年近くジーコをはじめとするサッカーに本気で全身全霊を捧げたブラジル人達と身近に関わってきた身としては嫌悪感さえ覚える。
しかしながら彼の様な異様な人生を生きた人物を知る意味では秀逸なドキュメンタリーであろう。情報過多の現代では絶対に起こり得ないお伽話的サッカーストーリーとして後世にまで残る作品かもしれない。
(敬称略)
『カルロス・カイザー サッカー史上最も奇妙な成功者』あらすじ

サッカーをしなかった最も偉大なサッカー選手"カルロス・エンリケ・ラポーゾ"。
人々から"カイザー"と呼ばれた男は巧みな話術や人脈を駆使してブラジルや海外のクラブと契約を結び続け、プロサッカー選手としての経歴を積み続ける。
しかし、加入後は故障を装い、練習中にトラブルを起こすなどして公式戦でプレーする状況を徹底的に回避する。
さらには、海外クラブやエージェントからのオファーを装うため、偽の携帯電話を使う
などして自らを演出、周囲を欺き続けた。
2003 年に 26 年のプロサッカー選手としてのキャリアを終え、2010 年から自らのストーリーを話し始める。しかし、イギリスのドキュメンタリー監督であるルイス・マイルズに、さらなる嘘を突きつけられたカイザーは、遂に、他人の人生を生きた理由を自ら語り始める...
『カルロス・カイザー サッカー史上最も奇妙な成功者』作品情報

監督:ルイス・マイルズ
出演:カルロス・エンヒキ・ラポーゾ(カイザー)、ジーコ、ベベト、レナト・ガウショ、アレクシャンドレ・トーレス、リカルド・ローシャ
2018 年/イギリス・ブラジル/97 分/カラー/英語・ポルトガル語/原題" Kaiser! The Greatest Footballer Never to Play Football" / ポルトガル語字幕監修:鈴木國弘 / 配給:NEGA
公式サイト:https:// kaiser.negadesignworks.com/