英国のテレビ司会者・プロデューサーのリチャード・オスマンが2020年に発表したミステリ小説『木曜殺人クラブ』をスティーブン・スピルバーグのアンブリン・エンターテインメント製作、『ホーム・アローン』、『ミセス・ダウト』、そして「ハリー・ポッター」シリーズ最初の2作品で知られるクリス・コロンバス監督で映画化。
緑豊かな高級老人ホームで穏やかな日々を送る高齢者たちが、未解決事件の推理を趣味とする「木曜殺人クラブ」を結成。そこにホームのオーナーが殺されるという事件が起き、メンバーたちは年齢を活かした機転と絆で真相に迫る!
原作は英国だけで100万部以上を売り上げ、物語はシリーズ化、日本では第4作までが早川書房から出版されている。
ヘレン・ミレン、ピアース・ブロスナン、ベン・キングズレーら大ペストセラーの映画化に相応しい、英国とアイルランドを代表する俳優たちが総出演。巧みな演技と遊び心たっぷりのアプローチで謎に迫っていく。英国本格ミステリ好き、コージー・ミステリー好きにはたまらない一作だ。
映画『木曜殺人クラブ』はNetflixにて2025年8月28日より配信中。
目次:
Netflix配信映画『木曜殺人クラブ』作品情報

邦題:木曜殺人クラブ
原題:The Thursday Murder Club
ジャンル:ミステリ
監督:クリス・コロンバス
原作:リチャード・オスマン『木曜殺人クラブ』(早川書房)
脚本:ケイティ・ブランド、スザンヌ・ヒースコート
撮影:ドン・バージェス
美術:ジェームズ・メリフィールド
製作国:アメリカ
製作年:2025年
上映時間:120分
配信プラットフォーム:Netflix(2025年8月28日より配信中)
キャスト:ヘレン・ミレン、ピアース・ブロスナン、ベン・キングズレー、セリア・イムリー、ナオミ・アッキー、ダニエル・メイズ、ヘンリー・ロイ=ヒューズ、トム・エリス、デヴィッド・テナント、ジョナサン・プライス、ポール・フリーマン
Netflix配信映画『木曜殺人クラブ』あらすじ

エリザベス(ヘレン・ミレン)、ロイ(ピアース・ブロスナン)、イブラヒム(ベン・キングズレー)は、高級老人ホーム「クーパーズ・チェイス」に住む退職者たちの集まり「木曜殺人クラブ」のメンバーで、未解決事件の解決に取り組んでいる。
彼らは、1970年代に起ったある事件の医学的な詳細を突き止めようと、知識のある人を捜し、元看護師のジョイス(セリア・イムリー)に相談する。ジョイスはクーパーズ・チェイスにやって来たばかりで、この誘いに喜んで応じ、4人目の仲間となった。
ある日、クーパーズ・チェイスの管理人の一人、イアン・ヴェンサム(デヴィッド・テナント)が、この場所を取り壊して、イベントセンターを建てると言い出す。別の管理人トニー・カレン(ジェフ・ベル)がそんなことはさせないと立ちはだかるが、頼りの彼は何者かに殺されてしまう。このままではイアン・ヴェンサムの思い通りになってしまう。「木曜殺人クラブ」のメンバーは、警官ドナ・デ・フレイタス(ナオミ・アッキー)を彼らの捜査の協力者に引き入れ、殺人事件を解決し、施設を守ろうと奔走する。そんな最中、再び殺人事件が起こり・・・。
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Netflx配信映画『木曜殺人クラブ』感想と解説

クーパーズ・チェイスは、緑豊かな野原に囲まれた、かつて修道院だった豪華な老人ホームだ。宮殿のような外観と美しく落ち着いた内装を誇り、住民たちはその環境に満足している。
高齢者が自身の人生を全うし、引退後、新しいコミュニティの中で、生き生きと人生を送ろうとしているその雰囲気がまずいい。こんなホームならだれもが入ってみたいと思うだろう。
幅広いスキルがあると豪語するエリザベスを演じるヘレン・ミレン、元労働組合幹部ロンを演じるピアース・ブロスナン、そして元心理学者イブラヒムを演じるベン・キングズレーは、毎週木曜日に未解決の殺人事件の謎を解く「木曜殺人クラブ」を主宰している。そこに医学知識があるという理由で元看護士のジョイス(セリア・イムリー)が加わる。
娘との時間が取れない寂しさや、夫の認知症などそれぞれ悩みも抱えているのだが、メンバー間の相性は抜群だ。英国、アイルランドを代表する俳優たちが一同に集まり、誰もがその役柄を生き生きと演じている。
そんな彼らに青天の霹靂ともいうべき事態が! なんと、クーパーズ・チェイスのオーナの一人イアン・ヴェンサム(デヴィッド・テナント)が、この場所を取り壊してイベントセンターにすると言い出したのだ。おざなりな説明会を開き、一方的に工事を始めると告げられ、皆は大騒ぎ。
ロンは闘志を燃やし、若かりし日々を思い出したかのように活気づく。しかし、信頼されていた管理人のトニー・カランが殺害される事件が発生。さらにイアン・ヴェンサムも殺され、続いて白骨化した謎の遺体までが発見される。
「木曜殺人クラブ」のメンバーたちは、年齢を逆手にとりその経験を活かし、犯人捜しに乗り出す。遺体が三つという大事件にも拘わらず、捜査はリラックスした雰囲気で、遊び心あるアプローチが特徴的だ。
なんといってもエリザベス役のヘレン・ミレンの活躍が目覚ましい。何か特別な仕事をしていた女性であることは最初から示唆されているのだが、どうやら彼女は元MI-6のスパイだったようで、危険で困難な状況にも恐れることなく飛び込んでいく。目つきの鋭さや、人の懐に入って行く巧みさなどさすが元スパイという感じだが、その上、情も深い女性であるあたり、ヘレン・ミレンがさすがの存在感を発揮している。
ジョイスは医療の専門知識を発揮するよりもケーキを焼いている回数がはるかに多く、ケーキを切り分けて乱雑に盛り付ける姿が笑いを誘う。彼女が焼いたビクトリアスポンジケーキやコーヒーとクルミのケーキはいかにもイギリスのケーキらしい巨大で(恐らく強烈に)甘い代物と予想され、ことあるごとにそれを振る舞われるメタボ気味の担当刑事の健康が心配になるほどだ。
事件の背景には現代の社会問題が巧みに織り交ぜられ、問題提起がなされているが、全体としては、登場人物、舞台設定、作品全体の雰囲気まですべてが見事に調和し、コージー・ミステリーのジャンルの魅力を余すところなく備えている。英国本格ミステリ好きにはたまらないだろう。休日に、家族で一緒に観る作品を捜している方には断然本作をおススメする。
高齢者を主人公にした映画『木曜殺人クラブ』には、年齢に関係なく友情が育まれ、協力して課題を乗り越えられるというメッセージが込められている。そして彼らが主宰する「木曜殺人クラブ」は、誰もが一緒に過ごしたくなってしまうようななんともチャーミングなクラブである。
☟原作本はこちら
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