3DCGアニメ『ねむれ思い子、空のしとねに』(2016)をただ一人で作り上げ、世界でも高い評価を受けた栗栖直也監督の9年ぶりの最新3DCG短編アニメ『後朝の花雪』(きぬぎぬのはなゆき)が2025年10月17日からシネ・リーブル池袋(東京)、テアトル梅田(大阪)、アップリンク京都ほかにて全国順次公開されることが発表された。
今回も圧倒的な作業量を必要とする3DCGアニメを選択して、平安時代の怪談に挑んでおり、徹底した時代考証の上に描かれる世界は誰も観たことがない平安絵巻に仕上がっている。公開は現代語版となるが古語版(当時の言葉)も現代語版公開の後に発表を予定しているという徹底ぶりだ。
近年、栗栖は東京国立博物館シアター、京都御苑資料館VRシアターなどで歴史衣装再現CGを担当、他にも初音ミクのライブ映像を手掛けるなど、その実力は常に高く評価されている。美しくも悲しい情念の世界を是非、堪能してほしい。
また、今回の公開を記念し世界的に評価された栗栖監督の長編作『ねむれ思い子 空のしとねに』のリマスターバージョンの同時上映も決定した。
著名人からのコメント

訳あって女を捨てた男の行く末と、捨てられた女の純粋すぎる心。
そうなんだ、そのどちらも今の時代に見ないものなんだ。
ダークに見えてまさにピュアな現代の御伽草子。
作画や音響はその時代を微に入り細に入り映し取っていて見事。
その上で見るものに伝えたいエネルギーをかぶせてる。
大切にしたい作品ですね。
諏訪道彦(『名探偵コナン』初代プロデューサー/アニメプロデューサー)
(敬称略)
栗栖直也監督:ステートメント

おそらく学校で習うこともあるのでしょう、一般に平安時代と言えば『源氏物語』に代表される王朝文学を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。もちろん源氏物語が素晴らしい作品であることに異論はありませんが、庶民から徴収した税で安穏と生活しつつ、女性を口説く事ばかりに執心する上流貴族達の日々が、当時の代表的イメージであることに常々違和感も感じておりました。
そんな思いもあり、私の初作品『文使』では白拍子と牛飼童という「貴族でない男女」の恋を奇譚として描き、ありがたいことに多くの方に楽しんでいただけました。
その後はもう一つの私の柱であるSF作品(『ねむれ思い子 空のしとねに』)を形にしたのですが、その制作中もずっと「次はまた時代物を作りたいな」という思いが強く、今回初作品から二十年ぶりの平安短編『後朝の花雪』という形で結実いたしました。
古典文学の中でも庶民が多く登場する『今昔物語』の一編を脚色し、下級貴族の恋模様を怪談という形で描いた本作が、また平安時代の違った一面を皆様に感じていただける機会になれば本当に嬉しいです。
『後朝の花雪』あらすじ

千年前の京都。かつて捨てた女の家をふと尋ねた時正は、その館の中で朽ちずに残っている女の骸と、あたりを漂う不気味な光を目撃する。自分を恨んで死んだ女の祟りを恐れ、時正は陰陽師・賀茂忠行の元を訪れるが…
『後朝の花雪』作品情報

2025年/日本/カラー/15分/16:9/5.1ch/レイティング:PG12
監督・脚本:栗栖直也 声優:木島隆一、石黒千尋、武虎、福島おりね 音楽:Kawagen 製作:Hand to Mouse. プロデューサー:森田一人、西村よしたか 音響監督:鍛冶谷功 音響エンジニア:堀田英二 音響効果:高梨絵美 配給:インターフィルム
同時上映作品:『ねむれ思い子 空のしとねに』リマスターDCP&新音響5.1ch Ver.
今回の上映用にリマスターされたスペシャル・バージョン。映像も音響も格段にグレードアップされ、作品本来の姿が遂に姿を現す!当時最も困難とされた3DCGアニメをたった一人で7年の歳月をかけて完成させた情熱と狂気の1作!
仕様:2014年(2025年デジタルリマスター)/日本/カラー/50分/16:9/5.1ch