阪神・淡路大震災の震災復興から誕生した宝塚市内唯一の映画館「シネ・ピピア」。1999年のオープンから26年間、多彩な映画を上映し、市民、並びに映画ファンから熱く支持されている映画館だ。
2029年には開館30周年を迎える「シネ・ピピア」。来たる開館30年、その後も次世代に繋ぐ映画館になるよう歩むことができればという願いのもと、このたび「シネ・ピピア〈次世代に繋ぐ〉プロジェクト」が始動。新規座席購入や映画館の運営にかかる費用に関する募金を募っている。

目次
「シネ・ピピア〈次世代に繋ぐ〉プロジェクト」趣旨
1999年にオープンした当館は、震災からの“心の復興”を旗印に、地域コミュニティや文化発信の拠点として、「公設民営」の映画館として宝塚とその周辺地域の皆様に愛される映画館を目指して運営してまいりました。
映画館の運営は民間の私たちが担っておりますが、当館のような小さな映画館では利益は出にくく、赤字をやりくりしながらの運営を余儀なく行ってきました。併せて、施設の維持管理は宝塚市が担っており、厳しい財政状況の中で、フィルム映写からデジタル映写への移行、音響機器のリニューアルなども何とか行われましたが、この数年、座席の損壊が相次ぎ発生しています。座席の老朽化により、欠落事故などが起こる前に座席の入れ替えが行うことが急務となっております。しかし、座席入れ替えには多額の費用がかかり、財政状況が厳しい宝塚市からの出資は難しいものがあります。
このような中、シネ・ピピアでは「シネ・ピピア〈次世代に繋ぐ〉プロジェクト」を立ち上げ、新規座席購入や映画館の運営に充てる募金へのご協力を皆様にお願いし、安心・快適に映画を見ていただける環境を整備し、来たる開館30年、その後も次世代に繋ぐ映画館になるよう取り組んでまいりたいと存じます。
「映画は人と街を豊かにする」――その可能性を信じ、今後も存続していけるよう、皆様のご支援・ご協力のほど、どうかよろしくお願いいたします。
シネ・ピピア 一同
新規座席購入募金詳細
<募金内容>
・募集期間:2025年8月1日〜10月30日
・募集金額:1口1万円(何口でも、複数回でも可)
・募金目標:1千5百万円
・募金方法:金融機関等へのお振り込み、劇場窓口へのご持参、インターネットなど
◉銀行振込: 池田泉州銀行売布(めふ)支店(普)0091691 (口座名)シネ・ピピア
◉インターネット BASE:https://cinepipia.theshop.jp/
◉現金:シネ・ピピア窓口までご持参いただくか、現金書留でご郵送ください
※誠に申し訳ありませんが、振込手数料はご負担をお願いします。
※銀行振込、現金でのご送金の場合、シネ・ピピアに備え付けの
申込書に、「氏名」「住所」「電話番号」などをお書きの上、お送りください。
<目標金額と募金の用途>
【目標金額】1,500万円
【募金用途】 ※概算、税込
・座席リニューアル、および工事費用一式 ・・・ 1,000万円
(座席※92席購入・設置工事、足元灯・手摺工事、旧座席撤去費等一式)
・累積赤字額解消、および運転資金 ・・・・・・・・・・・・500万円
合計 1,500万円
◎座席について
・現在の座席 幅520mm×50席(別に車椅子席1席) 2館で100席
・新しい座席 幅550mm×(44席+移動席2席)計46席 2館で92席
(座席幅が550mmと30mm増えたゆったりサイズになるため、座席が44席に減少。
また車椅子席が法律の改正のために2席必要となり、そこを取外し可能な移動席を設置
することで、計46席で計画しています)
【新しい座席】550mmのゆったりサイズのため、三時間以上の映画鑑賞でもお尻が痛
くならず疲れにくいフレームに、特殊形状の波形スプリングを組み合わせた構造です。
背もたれは、モールドウレタンの中にパイプフレームを入れて一体成形することによ
り、強固な構造を持ちながら、心地よく快適な映画鑑賞を実現。カップホルダー付き。
<「シネ・ピピア〈次世代に繋ぐ〉プロジェクト」スケジュール(予定)>
2025年8月1日(金) 募金開始
2025年10月30日(木) 募金終了
2025年10月31日(金) 座席工事業者と契約締結
2026年3月 座席等リニューアル工事実施
同月 工事終了、寄付者向けの内覧写会実施
<特典について>
お礼状と記念品の郵送。
一般上映に先立ち寄付協力者に対して内覧会を実施します。
<想定されるリスクとチャレンジ>
本プロジェクトは、募金の状況により、リニューアルが難しい場合についても、中古の座席導入や修繕対応など、いただいた募金を有効に使わせていただくよう努めてまいります。
本来は自助努力によって座席を刷新すべきではありますが、今回のご寄付は、宝塚市内および近隣にお住まいの皆様や、広く全国の映画ファンの皆様からご支援を募るものです。広くご協力いただけますことを切にお願い申し上げます。
シネ・ピピアとは
シネ・ピピアは、阪神・淡路大震災から4年目の1999年に震災復興事業として、宝塚市が設置した市内唯一の映画館です。宝塚は、宝塚歌劇の街、手塚治虫記念館があるとともに、かつて映画撮影所(宝塚映画)があった「映画の街」でもありました。しかし、撮影所は閉鎖され、映画館もなくなったことから「宝塚の街に映画館を!」の復活の声が寄せられていました。市民からの要望をもとに、非常時には避難先ともなる公設民営の映画館として再開発施設「ピピアめふ」内に誕生しました。50席2館のミニシアターながら、デジタルから35㎜フィルムの上映も可能、米・メイヤー社製のコンサート用スピーカーを設置し、優れた音響効果が楽しめます。カフェやテラスも併設され、映画の後はゆったりとした時間を過ごすことのできる健全な娯楽文化施設、文化拠点として運営しています。2019年には有料入場者100万人を達成、コロナ禍を経て、2024年に25周年を迎えました。
シネ・ピピア沿革
(シネ・ピピア前史)1951年、宝塚映画製作所設立。東宝系の映画製作会社として数々の名画、プログラムピクチャーを製作。宝塚市は「映画の街」とも呼ばれ、最盛期には7館の映画館があったが、1969年には最後まで残っていた映画館が閉館し、以後の30年間は宝塚市に映画館が存在しなかった。
1995年1月17日 阪神・淡路大震災
1999年10月29日 震災復興施設「ピピアめふ」5階に、シネ・ピピアオープン(50席2館)シネマ1は東宝系ロードショー館、シネマ2は名画座として誕生
2000年10月末 第1回宝塚映画祭開催(毎年、10月末か11月に開催)
2011年4月 シネ・ピピアで最大のヒットとなった『阪急電車』公開
(1万5736人動員を記録)
2012年12月20日 デジタル映写機導入を市に嘆願する署名活動を開始。
12月20日〜翌1月7日までの年末年始の2週間で4387人もの署名が集まる。
2013年3月 映画館存続に向けてデジタル映写機導入の予算が宝塚市から認められ、
デジタル映写機を導入。以来、35ミリフィルムとデジタル映写(DCP)が出来
る映画館として運営。
2017年 9月 老朽化した座席の入れ替え、チケット発券機など全面リニューアル
2018年10月4日 有料入場者100万人動員達成
2020年 4月 新型コロナウイルス感染症により2ヶ月近く休館
2020年6月 2ヶ月ぶりに再開。密な入場を避けるために座席を指定制に変更、
インターネットからの発券も開始。
2022年 10月 デジタル映写機リニューアル(デジタル映写機は10年が寿命)
2025年2月 音響機器リニューアル工事
2025年8月1日 新規座席購入などのため、募金活動を開始(予定)
募金の詳しい経緯について
「シネ・ピピア〈次世代に繋ぐ〉プロジェクト」について
1995年1月17日の阪神・淡路大震災で甚大な被害を被った宝塚市売布(めふ)神社駅前地区の震災復興事業として誕生した映画館「シネ・ピピア」。かつて映画の街であった宝塚に映画館が1館もなかったことから、市民による「宝塚に映画館を!」の活動が高まった結果、平常時は文化施設として運営しながら、有事の際は市民の避難施設になる映画館として、1999年10月29日にオープン。運営は民間が担うという、当時、全国でも珍しい公設民営の映画館の誕生となり、大きな話題になりました。
しかし、住宅地に隣接する再開発施設内に誕生したため、50席2館という座席数の少ないミニシアターとしての船出でした。建設コストは市が拠出しても、運営コストはすべて民間である私どもが負担。一方、集客が見込める大ヒット作はごくわずかであり、ヒットしても、少ない座席数から集客が限られ、利益が出にくい構造にありました。さらに、ほぼ9割の映画が採算割れという厳しい映画業界にあって、利益は見込めず、潰れずに存続させることが何よりも重要と、赤字体質の中、ひたすらコスト削減に努め懸命に運営を続けてまいりました。
シニア・女性客向けの作品など、地域から望まれる作品を多く上映するようにしていますが、オープン当時はなかったシネコン(複合映画館)が近隣に乱立。ヒットしている作品については、シネコンでの上映が終了するまで配給会社が貸し出さないようになり、リクエストがあっても、なかなかすぐの上映が難しい作品が増えています。時期は遅れても上映は行うよう取り組んでおりますが、その時期にはすでに見たい観客は半減、利益が出にくい構造的な問題がここにもあります。
また、2020年のコロナ禍によっても入場者が激減しました。土日より平日の入場者数が多く、シニア・女性客に支えられてきた当館のダメージは実に甚大なものがありました。この5年間は、数々のコロナ復興支援金でどうにか巨額の赤字額の一部を補うことができましたが、経営的にはその赤字を抱えたままで、運営状況は大変厳しい状況となっています。
一方、100年続いてきた映写方式がフィルムからデジタルに移行。新作はすべて高額なデジタル映写機を導入しないと上映できなくなりました。幸い宝塚市から映画館存続に向けての理解と支援が得られ、2013年にデジタル映写機の導入、さらに35ミリフィルム映写機も存続させ、新作はデジタル、旧作はフィルム上映ができる、今では全国でも貴重な映画館となっています。
また、オープンから26年が経過し映画館の座席は、宝塚市の理解を得て、一度リニューアルも実施しましたが、立ち上がっても座面がそのまま上がらないもの(写真1)や、座面の軸を支える強度が弱いことから座面が壊れたり、ずり落ちるようになってきました(写真2、3)。それまでにも座席の下の部分や、背もたれの部分が割れるなどの事象が頻発。再度座席の刷新が必要と判断した次第です。



これまでもお客様から「座席が硬い」「腰を動かすとギシギシ音がする」「早く座席を入れ替えてほしい」との声が数多く寄せられていました。ただ、強度もしっかりあり安定している座席へのリニューアル工事となると、100席で総額1千万円近い費用がかかります。そのように多額の費用がかかる工事を自己負担で行うのは、現状では難しいものがあります。
一方、音響面の刷新も優先しないといけない事態となっていました。デジタル機器ゆえ、音響が突如止まる事態も想定されていました。音響が止まれば、映画の上映はできません。宝塚市においては、2023年にデジタル映写機のリニューアル、この2025年春には音響リニューアル工事の実施がありました。財政的に厳しい中、理解いただいた宝塚市には深く感謝しております。そんな中、今回の座席の刷新は、宝塚市に頼らず自助努力で行っていくしか、この厳しい宝塚市の財政状況では他に道はありません。
そこで、安心・快適に映画を見ていただける環境整備を皆様のご支援もいただきながらつくっていきたいと、この度の募金活動となりました。
映画館を存続していくこと、それは何よりも皆様に楽しく映画をご覧いただくことに尽きますが、そのために施設を維持することも非常に大切です。しかし、多額の費用がかかる現状では、赤字経営の私どもでは限界があることも事実です。
また当館はコロナ禍においても皆様から単独でのファンディングなどは行わず、自助努力で頑張ってまいりました。そのため金融機関から1千万円を超える借入をして凌いできましたが、そのため返済や観客減もあって資金繰りが悪化。借り換えに次ぐ借り換えで、この数年耐えてきましたが、未払い資金の返済など、今回の募金で財務体質の健全化も併せて図ることができればと思っております。
今回の募金活動は、私どもでは初めてのお願いになります。皆様へのお願いは、2012年暮れに、デジタル映写機導入を市に嘆願する署名活動以来となります。
ぜひ、皆様からご支援をいただきまして、安心、そして快適に映画を楽しめる座席を有する健全な映画館として存続したく思います。新しい座席は、現在より幅が30ミリ広がり、背も座面もゆったりとした快適な座り心地のものになります。3時間もの長時間の映画が増えていますが、そんな長時間でもお尻が痛くならず、快適な映画鑑賞を楽しみいただけます。皆様からご支援をいただきまして、新しい座席での快適な映画館となりますよう、心からお願いする次第です。
そして、2029年の開館30年、その後も後世に残る映画館であり続けることができるよう歩んでまいりたいと存じます。どうぞよろしくお願いいたします。
問い合わせ先
シネ・ピピア(担当:景山)
〒665-0852 兵庫県宝塚市売布2-5-1-5F