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韓国映画『君への挽歌』グランドシネマサンシャイン 池袋での公開記念舞台挨拶オフィシャルリポートが到着! 全国上映館情報も。

2025年2月7日(金)グランドシネマサンシャイン 池袋にて劇場公開がスタートした韓国映画『君への挽歌』韓国の口承伝統芸能「パンソリ」を題材にし、「認知症」に直面した老夫婦の愛を綴るヒューマンドラマだ。

 

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2月9日(日)には同館で公開記念舞台挨拶が実施された。本作の日本配給プロデューサーで俳優の松尾百華が司会を務め、来日したキャストのチョン・アミチャン・テフンイ・チャンヨル監督が登壇。

このたび、そのオフィシャルリポートが到着した。

 

目次

 

韓国映画『君への挽歌』グランドシネマサンシャイン 池袋での公開記念舞台挨拶オフィシャルリポート

(C)2022 Film Company Soonsu

『君への挽歌』の制作経緯を改めて聞かれたチャンヨル監督は「人間は、人生で一度は絶対に死ななくてはなりません。そんな短い人生の中で、どのように生きて死んでいくのかを、誰も避けることのできない死によって問いかける映画を作りました」と本作に込めた想いを語った。

 

キャスト陣の自身の役に対する印象について、200本以上の演劇作品に出演したベテラン俳優であり、本作では主人公ドンヒョクの妻ヨニ役を演じたチョン・アミは「認知症を患ったヨニは、特別な人生を生きてきた女性ではありません」「だからこそ、多くの共感を得られる彼女の人生における夢や痛みを通じて、見る者に人生をどうやって生きていくべきなのかを教えてくれるのです」とコメント。

 

主人公夫婦の娘スギョンの夫パク役を演じたチャン・テフンは、時には現実的な言葉を投げかけつつも妻スギョンを助け、支えようとするパクを演じる上で「『血の繋がらない家族』として、どれだけ義父母や妻の痛み・悲しみを共に分かち合うべきなのか」に悩んだと告白。そんな微妙な立場・心境にあったパクのことを、できれば愛してくれたら嬉しいと来場者の方々に伝えた。

 

また監督の視点から見たキャスト陣の魅力を尋ねられ、チャンヨル監督はアミを「演技の神様」「韓国でヨニを演じられるのは彼女しかいないと感じた」と絶賛。テフンについても「演技に対する情熱を持ち、純粋な心と人柄で演技に向い合い続けている、最高の俳優の一人」「また『娘婿』という役柄をよく理解した上で演じてくれた」と本作での演技を称えた。

 

続けてアミも「私の好きな演技の姿勢を見せてくれる、非常に素敵な俳優」とテフンの魅力を語り、彼女の言葉に対してテフンも「『最高の舞台俳優』と多くの人々に噂される程の実力を持つ人であり、本作でヨニ役を演じると聞いて『きっと良い映画になる』と期待が高まった」「俳優としても人としても尊敬している先輩です」と答えた。

 

やがてトークは、本作の撮影時のエピソードや、記憶に強く残っている場面の話題へ。チャンヨル監督は、韓国での伝統的な葬儀の際に亡くなった方を乗せる「喪輿」が描かれる場面を挙げ、撮影当時は直前まで大雨が降り続け困難な状況だった中、撮影が始まった途端、雨が止んだこと。雨上がりの地面は光を反射し、想像を遥かに超えた美しい映像が撮れたと語った。

 

テフンは「これから映画を観るんですよね?」とネタバレに配慮しつつも、自身が演じるパクが初めて作中に登場する場面を挙げ、作品全体を通して重たいテーマを描いている本作において、激しい揉み合いの後に訪れる「緩急」のコミカルさをぜひ楽しんでほしいとコメント。

 

一方でアミは、完成した映画を観て1番印象的だった場面として、作中でのヨニと娘スギョンの対話の場面を選び「着飾っておらず決して美しい姿ではないはずなのに、ヨニと彼女を演じる自分自身が1番美しく感じられました」「チャンヨル監督が本作に込めたメッセージを、1番体現している場面です」と語った。

 

そして、『君への挽歌』が世界各地の映画祭で評価され、韓国インディーズ映画史における最多受賞記録を塗り替えたことについて、チャンヨル監督は「世界各地の方々が、作品に何かを感じとってくださったのだと思います」と答え、本作を観たある夫婦に「家では妻が『女王様(=恐妻)』の状態だったが、この映画を観て夫婦仲が良くなった」と言われたという微笑ましいエピソードを明かした。

 

今回が初の来日となったテフンは「言語に違いがあっても、映画を通じて普遍的な感情を伝えることができた」「本作で、映画の力を感じとることができた」と述べ、映画と共に日本の人々と出会えたことへの喜びを改めて伝えた。

 

さらにアミは一時期日本語を勉強している時期があったと告白し「日本に来る機会をもらえたことが嬉しく、韓国に帰国したら日本のことを改めて学びたい」とコメント。日本語で「ありがとう」「みんな、頑張りましょう」と来場者の方々に向けて感謝の言葉を贈った。

 

上映の時間が迫る中、最後に来場者の方々へのメッセージを求められたチャンヨル監督は「今回の舞台挨拶で韓国語通訳を務めてくれた俳優・平山綾栞さん、そして今回の舞台挨拶のMCはもちろん『君への挽歌』の日本公開に向けて奔走してくれた松尾さんの二人に拍手をお願いします」とコメント。思わぬサプライズに照れ笑いを浮かべる松尾・平山への拍手が場内を包む中、イベントは無事幕を閉じた。

 

映画『君への挽歌』劇場公開情報

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・【東京】グランドシネマサンシャイン 池袋:2月7日(金) 〜

・【静岡】静岡東宝会館:2月14日(金)〜

・【大阪】第七藝術劇場:2月15日(土)〜

・【北海道】サツゲキ:2月28日(金)〜

・【愛媛】シネマサンシャイン重信:2月28日(金)〜

・【香川】ホール・ソレイユ:2月28日(金) 〜

・【京都】アップリンク京都:3月7日(金)〜

・【長野】千石劇場:3月14日(金)〜

・【愛知】ナゴヤキネマ・ノイ:3月29日(土)〜

・【栃木】宇都宮ヒカリ座:4月11日(金)〜

・【熊本】Denkikan:近日公開

 

映画『君への挽歌』あらすじ

(C)2022 Film Company Soonsu

 

韓国の口承伝統芸能「パンソリ」の優れた歌い手としてのツアー公演、大学教授としての学生たちへの国楽の講義と、長年にわたり多忙の日々を送ってきたドンヒョク。

 

彼は「晩年を故郷で過ごしたい」という妻ヨニの願いを受け入れ、夫婦二人での美しい田舎暮らしを始める。ないがしろにしがちだった妻との時間を取り戻そうとするドンヒョクだったが、ほどなくして彼女の言動の異変に気づく。

 

今何を話していたのか、何をしていたのかを忘れてしまう。感情を制御し切れず、時には暴力まで振るってしまう……ヨニは、認知症を患っていた。

 

何もかもを捨てて、愛する妻の介護に向き合うドンヒョク。しかし認知症が進行し、別人のように変わっていくヨニに、彼の心は疲れ果てていく……。

 

映画『君への挽歌』作品情報

(C)2022 Film Company Soonsu

2023年/韓国/120分/カラー/ビスタ/G/原題:그대 어이가리
脚本・監督:イ・チャンヨル プロデューサー:イ・ハンヨル 製作:映画社純粋 日本語字幕:コンテンツセブン 配給協力:LUDIQUE、アルファープロデュース、グローバルリンクス  宣伝:Cinemago 配給:SCRAMBLE FILM
出演:ソン・ドンヒョク、チョン・アミ、キム・ユミ、ミン・ギョンジン、チャン・テフン

 

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