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2023年4月1日より公開の『劇場版 ナオト、いまもひとりっきり』を始め、 中村真夕監督の新作映画2本と旧作1本が関西で連続上映!

ドキュメンタリー映画『ナオトひとりっきり』(2015)や劇映画『親密な他人』(2022)などジャンルを超え幅広く活躍する中村真夕監督の新旧3作品がこの春、関西で連続上映される。

 

ドキュメンタリー映画『ナオトひとりっきり』の完結編『劇場版 ナオト、いまもひとりっきり』と劇映画『ワタシの中の彼女』の2本の新作映画が公開される他、2023年1月に亡くなられた政治活動家鈴木邦男さんを偲んでドキュメンタリー映画愛国者に気をつけろ!鈴木邦男が再上映される。

 

4月7日(金)、8日(土)は中村真友監督の舞台挨拶も予定されている。詳しくは各劇場HPをご覧ください。  

 

目次

 

ドキュメンタリー映画『劇場版 ナオト、いまもひとりっきり』作品解説

 

4月1日(土)より第七藝術劇場、4月8日(土)からシアターセブンにて公開!

 

原発事故による全町避難で無⼈地帯となった福島県富岡町に⼀⼈で暮らすナオトの生活に密着し世界を驚愕させた『ナオトひとりっきり』(2015)。

あれから8年。カメラはその後もナオトを追い続けていた。新たな命が⽣まれ消えていく中で、ナオトは変わらず動物たちに餌をやる⽇々を過ごしている。

富岡は帰還できる町となったが、若い⼈たちは戻らない。コロナ禍で開催されたオリンピックでは「復興五輪」のPRとして、誰もいない福島の⾵景の中を聖⽕リレーが⾛り過ぎた。

原発問題に終わりはない。汚染⽔はあふれかえり、ダダ漏れのように海上放出される。全国で原発再稼働の動きは、粛々と進められる。そんな私たちの⽭盾の渦中で忘れ去られる福島で、ナオトは今、動物たちとどんな思いで暮らしているのか。ナオトの⽣きかたを⾒つめながら、私たちの今を考える。

 

『劇場版 ナオト、いまもひとりっきり』作品情報

(2023年/106分/⽇本)

出演:松村直登、松村代祐、半⾕信⼀、半⾕トシ⼦、富岡町の動物たち

監督:中村真⼣ 撮影:中村真⼣、辻智彦  編集:清野英樹  製作・編集協⼒:⼭上徹⼆郎 製作・配給:Omphalos Pictures、Siglo  配給・宣伝協⼒:ALFAZBET  

 

映画『ワタシの中の彼女』作品解説

(C)T-artist

4月7日(金)より京都みなみ会館、4月8日(土)より大阪・第七藝術劇場、神戸・元町映画館にて公開!

 

人生の選択について見つめ直す40代の主婦、リモートワークの孤独をフードデリバリーで癒そうとする30代の独身OL、女優を目指していたが行き先を見失った20代の風俗嬢。盲目になり見えていた頃の記憶をたどる40代の実家暮らしの女。コロナ禍を生きる世代も生き方も違う女たちの孤独と希望を描いた短編映画・四編からなるオムニバス映画。そのすべての人物を一人の女優・菜葉菜(『夕方のおともだち』、『赤い雪』など)が演じている。

第一話として登場する短編映画「4人のあいだで」は、中村真友監督が2020年に発表した作品で、大阪アジアン映画祭でJapan Cuts Awardを受賞。ニューヨークのJapan Cuts映画祭など数々の国内外の映画祭で話題となり、『ワタシの中の彼女』が生まれるきっかけとなった作品だ。

それぞれの物語に、浅田美代子占部房子(ベルリン映画祭 銀熊賞受賞作『偶然と想像』)、草野康太(『モルエラニの霧の中』)、好井まさおNetflixドラマ『火花』)、上村侑(『許された⼦どもたち』第75回毎⽇映画コンクールスポニチグランプリ新⼈賞)など、実力派俳優たちが共演している。

世界的なパンデミックを背景に、孤独、人と人とのつながりを描いた人間ドラマが誕生した。

 

映画『ワタシの中の彼女』作品情報

(2022年/69分/日本)

出演;第一話「4人のあいだで」菜葉菜占部房子、草野康太  第二話「ワタシを見ている誰か」菜葉菜好井まさお 第三話「ゴーストさん」菜葉菜浅田美代子 第四話「だましてください、やさしいことばで」菜葉菜、上村侑

監督・脚本:中村真夕 企画:中村真夕、齋藤浩司 プロデューサー:浅野博貴 撮影監督:辻智彦 録音:菅沼緯馳郎、古谷正志 制作:姫田信也 、紫木風太 グレーディング:池田圭 衣装:越中春貴 ヘアメイク:升水彩香 製作/配給:ティー・アーティスト  

 

ドキュメンタリー映画愛国者に気をつけろ!鈴木邦男』作品解説

(C)オンファロスピクチャーズ

2023年4月15日(土)より第七藝術劇場にて鈴木邦男氏の追悼上映として再上映。

 

長年、右翼活動家として活動しながらも、元赤軍関係者や、元オウム真理教信者たち、元警察官からグラビアアイドルまで、様々な人たちと交流し続ける謎の政治活動家鈴木邦男に2年間密着したドキュメンタリー映画

 

生長の家の信者の家に育ち、早稲田大学では左翼と闘ってきた生粋の右翼活動家・鈴木邦男。17歳の時に初めて、同い年の大日本愛国党党員・山口二矢が、社会党党首を刺殺する映像に衝撃を受け、愛国のために身を捧げることに目覚めたという。大学時代には、今の日本会議の前身となる全国学協の代表まで登りつめたが、まもなく失墜。その後新聞社に就職するも、右翼運動に自らが引き入れた早稲田大学の後輩、森田必勝が25歳にして、三島由紀夫と自決したことに衝撃を受け、職を辞し政治団体一水会を成立する。

政治的・思想的な挫折と葛藤を繰り返す中で見えてきたのは、自らが訴えてきた「愛と正義」、「愛国心」でさえも疑い、そして異なる意見や価値観を持つ人たちの言葉に耳を傾けることだった。社会から疎外された者たちに向ける鈴木のまなざしは限りなく優しさに満ちている。

 

鈴木氏は2023年1月11日に死去され、本作が鈴木氏の最初で最後のドキュメンタリー映画となった。このたび追悼上映として再上映される。

 

愛国者に気をつけろ!鈴木邦男』作品情報

(2019年/78分/日本)

主演  鈴木邦男雨宮処凛蓮池透足立正生木村三浩、松本麗華、上祐史浩                                    

製作・撮影・編集  中村真夕、共同プロデューサー  山上徹二郎 協力:椎野企画、株式会社ロフトプロジェクト、有限会社ウエイブ 配給  オンファロスピクチャーズ  

 

中村真友監督プロフィール

 

16歳で単身ロンドンに留学。ロンドン大学卒業後ニューヨークに渡り、ニューヨーク大学大学院で映画を学ぶ。2006年、劇映画『ハリヨの夏』で監督デビュー。

 

2012年、浜松の日系ブラジル人の若者たちを追ったドキュメンタリー映画『孤独なツバメたち~デカセギの子どもに生まれて~』を監督。

 

2015年、福島の原発20キロ圏内にたった一人で残り、動物たちと暮らす男性を追ったドキュメンタリー映画『ナオトひとりっきり』を発表。続編『ナオトいまもひとりっきり2020』は2021年山形国際ドキュメンタリー映画祭「ともにある2021」部門で上映される。

2020年、ドキュメンタリー映画愛国者に気をつけろ!鈴木邦男』を発表し、ポレポレ東中野で異例の2週間連日満席記録を更新。2021年には短編映画『4人のあいだで』が第16回大阪アジアン映画祭(2021)でJapan Cuts Awardスペシャルメンションを受賞。

 

2022年、劇映画『親密な他人』、劇映画『ワタシの中の彼女』を発表。2023年、ドキュメンタリー映画『劇場版 ナオト、いまもひとりっきり』を発表。また脚本参加作品として、エミー賞ノミネート作品、NHKスペシャルドラマ『東京裁判』(全4話/平成29年度文化庁芸術祭参加作品)がある。